【氷河期世代】公務員の社会人採用試験体験記 ー前編・応募から教養試験対策までー

2024年4月10日

 こんにちは、「かく企画」社長の藤田です。

 2021年に19年3カ月勤めた会社を退職。現在はフリーランスのライターとして活動しています。

 退職を考え始めた当時はフリーランスになるとの考えはなく、別の企業への転職を目指して中途採用選考を何社か受けました。

https://kaku-kikaku.com/job-change

 その中で、公務員試験の社会人経験者採用を受けました。市販の教科書で対策をしたおかげで教養試験を何とか通過。グループディスカッションも「組織人として振る舞う」ことに徹して通過することができました。その後最終面接で不合格となりましたが、転職活動の中でも特に印象に残り、その後の自信につなげることができました。

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社会人の採用は、就職氷河期世代の補充や支援のため

 今回は、公務員試験の社会人採用について、私の体験談を披露したいと思います。

 自治体が社会人を採用する狙いはさまざまですが、主な理由として以下の二つをあげることができます。

①30歳代から40歳代の穴埋め

②就職氷河期世代の支援

 バブル崩壊後の1993年から2005年ごろまでは「就職氷河期」と呼ばれ、企業は景気後退を受けて新規採用を抑え続けてきました。これは国や地方自治体などの公務員でも同じです。そのため多くの組織で、就職氷河期世代と呼ばれる30歳代後半から40歳代までの層が薄くなるという状態が起こりました。その世代の人材を補うため、この10年で社会人を採用する自治体が一気に増えました。

 また、就職氷河期世代の中には、正社員として就職することができず、長らく非正規雇用として働いてきた人もいます。その人たちに正規雇用の道を開くために積極採用をする自治体も現れています。

競争率は10倍。中には100倍を超えるものも

 一般的な公務員試験には受験年齢の上限があります。しかし社会人対象の試験は対象年齢が幅広く、中には定年直前の59歳までに設定している自治体もあります。

 試験内容は、一般的な公務員試験が教養試験、専門試験、論文試験、面接試験で行われることが多いのに対し、社会人対象の試験では専門試験がないことが多いようです。

 競争倍率は、社会人対象の試験は採用人数が少ないこともあり、10倍を超えるのが普通です。中には100倍以上の狭き門となる試験もあるようです。

 人事院の年次報告書によると、ここ数年、一般の公務員試験(国家公務員)の競争率は4~5倍で推移。就職氷河期世代の私たちの頃は公務員が人気で、競争率が10倍程度に達していたことを考えると、時代や価値観はすっかり変わってしまっていますね。

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仕事が忙しくても、1日1時間は試験勉強

 前置きが長くなりましたが、ここから私が取り組んだ試験対策や体験談をご紹介したいと思います。

 私は2019年、中四国地方のとある県の社会人採用試験を受けました。1次試験が教養試験と論文試験で、ここから約40数人が2次試験の口述試験(グループディスカッション)に進みました。さらに、1次試験、2次試験の総合成績の上位約25人程度が最終面接を受けました。記録がないのですが、採用予定12人に対し、受験者数は160人程度だったと記憶しています。

 5月に職務経歴書や大学時代の成績証明書(久しぶりに見たが、可が多いのに驚いた)などの必要書類を送付。そこから6月下旬までの試験まで、仕事がどんなに忙しくても1日1時間の勉強時間を確保することとしました。

 毎晩のように憂さ晴らしとして飲んでいた酒も控えるようになりました。とはいっても勉強終了後、寝る前に缶ビール1杯だけ飲むことはありましたが…。この酒量の減少には、かみさんも驚いていました。

 教養試験は択一方式で、政治経済、歴史、国語、自然科学などの「知識問題」と、文章理解、判断推理、数的理解、資料解釈などの「知能問題」に分けられます(知能問題という言葉はあまり好きではありませんが、多くの試験問題集でこのように分類されているので、便宜上この言葉を用います)。

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教養試験の対策は「知能問題」に重点を置く

 対策は、知能問題に重点を置きました。文章やグラフの要旨を読み取る問題や、パズルのような問題などで構成され、いわゆる「クセが強い」問題が多いからです。

 例えば「四つに折った折り紙の端っこを切り、広げるとどんな形になるか」「弟が午前9時に自宅を出て、その10分後に兄が自転車で追いかけた場合、どこで追いつくか」などといった感じです。何よりも出題形式に慣れることが重要と考え、毎日何かしらの問題を解くようにしました。購入した3冊の問題集を2回通り解くことを目標としましたが、結局1周半くらいで終わったと記憶しています。

 知識問題は、いわゆる暗記系の問題ですが、網羅する範囲があまりにも広いので、問題集の「重要事項」に目を通し、あとは自前の知識で解くこととしました。論文については特に対策をしませんでしたが、時事問題をまとめたテキストや新聞を読むのがよいと思います。特に地方公務員の場合は、その地方のニュースや行政課題は調べておいたほうがよいと思います。

一番大切なのは、試験問題に「慣れる」こと

 試験当日は朝が早かったので、私は前泊して臨むこととしました。会場は県庁所在地の大学キャンパス。まじめそうな若者から茶髪のおじさんまで、さまざまな顔ぶれでした。

 試験官のリーダー格の女性が怖そうな人で、他の試験官に頻繁に何やら指示を出していました。もし合格して入庁したとしても、この人が上司になったら嫌かもなあ、と考えているうちに試験が始まりました。

 試験時間中は、特にトラブルもなく淡々と進みました。手応えはありましたが、問題が簡単なだけでみんな解けているだろうと悲観的に捉えていました。

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 数週間後、2次試験への案内が自宅に郵送で届きました。

 公務員試験に限らず、資格試験や高校・大学などの入学試験などでもよく思うのですが、試験で一番大切なのは出題形式に対する慣れなのではないかと思います。どのような問題がどういう順番で出題されるかを把握しておけば、大まかな時間配分を決めることができ。試験当日精神的に楽になると思います。

 「おれは頭が悪いから試験ができない」などと思っている人がいるかもしれませんが、試験ができると頭の良し悪しは別問題です。問題が解けなくても悲観的にならず、問題に慣れるようにまずは数をこなしてみてはいかがでしょうか。

 長くなってしまいましたので、2次試験以降については別の機会にお話ししたいと思います。

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Posted by かく企画