
転職活動で得られた三つのこと ー採用試験を受けて考えたー
こんにちは、「かく企画」社長の藤田です。
2021年に19年3カ月勤めた会社を退職。現在はフリーランスのライターとして活動しています。
当初、自己管理能力のない自分に、フリーランスという働き方は絶対無理と思っていました。だから、会社を辞めることを考えた際も、独立ではなく転職を主眼に置き、新たな働き口探しにいそしんでいました。
今回は、私の経験から、転職活動により得られたものやメリットについて考えていきたいと思います。
ノーリスク・たくさんリターンの転職活動
いきなり結論ですが、私が転職活動を通じて得られたものは、次の三つです。転職で得られるものではなく、あくまで転職「活動」によって得られるものです。
①自分の市場価値
②自分に対する自信
③異業種に対する知識
特に大きかったのは②ですね。勤めていた会社の外で自信を付けられたからこそ、フリーライターとして何とかやっていける今の自分があると思います。
そしてこれらのメリットは、なんとほぼ無料で手に入れることができます。
転職自体にはリスクが付きもの。仕事や会社を変えて「年収が下がった」「こんな激務だとは思わなかった」などと後悔している人は少なからずいます。また、商売などで独立開業する際にも、基本的には元手が必要で、事業に失敗すれば、当然その元手や投資はパーとなります。
しかし転職活動では、たとえ失敗したとしても、何も失うものはありません。職務経歴書の作成や採用面接などで多少の時間は失うでしょうが、金銭的に失うものは面接会場までの交通費くらいではないでしょうか。
活動を通じ、自分が描いたとおりの企業が見つかったのなら転職すればよいし、見つからないのならいまの職場で頑張ればよいだけ。ノーリスク・ノーペインで自分を見つめ直す機会が得られ、ひょっとすれば予期しない将来に出会える、これが転職活動だと思います。
実際に受けた採用試験
私は実際、転職活動において3社の選考を受けました。
① 某地方新聞社
1社目は、某地方新聞社。いわゆる「同業他社」で、記者経験者の中途採用を行っていました。私が所属していた会社と比べはるかに規模も大きく、斜陽産業と言われている中でさまざまな取り組みを進めている会社でした。
面接では、記者を経て営業職に異動していること、転職した暁には書く仕事に従事したいことを話しました。
しかし、人事担当者から返ってきたのは、次のような言葉でした。
「あなたはもうすぐ40歳でしょう。うちに来て下さったところで、何年も経たないうちにデスク(記者が書いた原稿をチェックする担当)ですよ。残念ながら書く仕事はさせられないと思うのですが」
「記者から営業職に異動したということは、ある程度会社から期待されているのだと思います。どうして転職をお考えなのですか」
この会社は、20歳代から30歳代前半の元気な書き手を探していたのです。当然、落ちました。14年間記者を務めて営業職に異動し、今の仕事から逃げようとしているロートルなどを受け入れる考えはこれっぽっちもなかったのです。記者としての自分の市場価値を痛感した面接でした。
② 公務員試験
次に受けたのは、公務員試験です。
県庁や市町村役場では近年、一定年数以上の社会人経験者の採用に積極的です。私は、中四国地方のとある県庁の社会人採用試験を受けることとしました。
1次試験は教養試験と論文試験(作文)で、その上位者を対象にグループディスカッションを行うというものでした。作文は記者のときにさんざん書いてきて、グループディスカッションは営業職時代に会議を進行してきたので、教養試験に絞って対策を行いました。
試験までの2カ月間、毎日1時間の勉強を課し、市販の問題集で対策。怠惰な私しか見たことのない妻にとって、仕事から帰宅して夜な夜な勉強する姿は相当の驚きだったようです。
その甲斐もあり、受験者約130人中6番という成績で通過。残念ながら最終面接で落ちてはしまいましたが、それでも対策や勉強すればそれなりに結果が付いてくると再認識しました。不慣れな職場ですっかりなくしていた自信を少し取り戻すことができましたし、退職後もフリーランスの仕事や簿記の勉強の際の励みになったと思います。
③ 小さな学習塾
3社目は、小さな学習塾。某有名転職サイトで見つけた求人でした。
教職免許を持っているわけではありませんが、大学の就職活動時に学習塾の採用試験を受けるなど、漠然と興味を持っていました。人に講釈を垂れることが好きな性格が影響しているのかもしれません。
面接当日、交通渋滞に巻き込まれ、あろうことか面接の時刻に遅刻。それでも教室内で経営者の方と1対1でお話しし、その場で内定をいただきました。しかし、入社時期で折り合いが付かず、休みが減って給料も減るために自分の中で踏ん切りが付かなかったこともあり、失礼ながら辞退させていただきました。
自分の市場価値を確かめる機会 それが転職活動
もちろんこの3社以外にも、書類選考で落とされた企業がたくさんあります。中には就職サイトでエントリーし、数分後に不合格通知が送られたこともあります。書類選考通過のメールが来たものの、業務内容に共感できなかったり、メールの文面に違和感を持ったりで、こちらから次のプロセスを辞退させていただいたこともありました。
私の経験は、本気で転職活動をしている方や、ハイクラスの転職を目指している方にとっては、取るに足りないエピソードかもしれません。しかし私にとっては、会社の外での自分の市場価値を確かめるよい機会となり(残念ながら報道記者としての価値はないという結果でしたが)、また仕事に対する自信を取り戻すきっかけともなりました。
ちっぽけな体験でも、自分にとって何らかの気づきが得られるもの、これが転職活動だと思います。皆さんも、転職に結び付かなくてもよいので、自分を見つめ直す機会として転職活動を始めてみてはいかがでしょうか。
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