【氷河期世代】公務員の社会人採用試験体験記 ー後編・グループディスカッションと最終面接ー

転職活動

 こんにちは、「かく企画」社長の藤田です。

 2021年に19年3カ月勤めた会社を退職。現在はフリーランスのライターとして活動しています。

 退職を考え始めた当時はフリーランスになるつもりはなく、別の企業への転職を目指して中途採用選考を何社か受けました。

https://kaku-kikaku.com/job-change

 その中で、公務員試験の社会人経験者採用を受けたことが印象に残っていたので、つれづれなるままに体験談を書いています。今回は「後編」ということで、2次試験(グループディスカッション)と最終面接(個別面接)について振り返りたいと思います。

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 「前編」をまだ読んでいない方は、以下からどうぞ。

https://kaku-kikaku.com/koumuin1

グループ討論の評価軸は「組織の人間として振る舞っているかどうか」

 教養試験と論文試験が課された1次試験を前に、判断推理や数的理解などの「クセが強い」問題に重点を置いて対策。その甲斐あってか2次試験に進むことができました。

 2次試験はグループディスカッション(以下GDと略)。数人(多くて10人程度)のグループに分けられた受験者が、与えられたテーマについて議論する形式です。

 私が新卒の就職活動をしていたのは2000年代前半ですが、このような形態の採用試験は受けたことがありませんでした。とはいえ、営業の仕事で、社外の人間や同業他社の社員を交えて会議を進めることがあったので、いつものように意見を言いつつ出席者に話を振っていけば何とかなるんでないやろか、と漠然と考えていました。

 GDの立ち居振る舞い方や心構えは、参考書やインターネット、YouTubeで調べました。評価のポイントはいろいろあるかと思いますが、どの本やサイトにも共通して書いていたのは「組織の人間として振る舞っているか」ということでした。

 面接官はGDにおいて、グループを会社やチームに見立てています。そこで、①この人は会社の事業を進めていけるか②他の社員とうまくやっていけるか③他の社員のポテンシャルを引き出すことができるか―などをチェックしているのです。

 心構えなどで一番参考になったのは、YouTubeの「Utsuさんチャンネル」というサイトです。「自分以外のグループの仲間を全員通過させる」と心構えを説いており、本番で大変参考になりました。就職、転職、キャリア形成全般についても有益な情報が満載です。

 対策をしながら、他の参加者も同じように対策をしているのだろう、などと想像していました。

変な空気の中、みんな我先に発言

 GD当日。私のグループの参加者は8人でした。私は参加者の中で最初に会場入りしました。「最初に会場に入れば空気を支配できる」と何かの本で読んだことも理由の一つですが、それよりも「事故などの不測の事態が起きても遅れないように」と悲観的に行動し、結果的に早く着いちゃったという面が大きいです。

 待合室に次から次へと人が入ってくるごとに、場の雰囲気が張り詰め、変な空気になっていくのが手に取るように分かりました。「皆さんリラックスしましょうよ」と誰かが言いましたが、何も変わりませんでした。私は案外腹黒いところがあるので、終始無言を貫いてこの雰囲気を保全することに努めました。最初に会場に入ったことで、平常心を保つことができ、本に書いてあることはうそではなかったと思いました。

 悪い雰囲気を引きずったまま、GDは始まりました。どのメンバーも組織人として振る舞うだろう、と思ったのですが、意外なことに自分の意見を発表するのに一生懸命でした。我先に発言し、他の人に話を振ることもありませんでした。

 どの人も、特に我が強そうな面構えではありません。本来は人の話をよく聞く人なんだろうと思いました。

 討論のテーマは、地震に備えて防災・減災対策をどのように取り組むか。私は、西日本豪雨でため池が決壊して被害が出た広島県のとある地区の例を挙げ、施策に優先順位を付け、特に西日本はため池が多いので池の改修を優先するべき、と持論を述べました。その上で、発言しそびれていた右斜め前の男性に「どう思われますか」と意見を求めました。

 さまざまな意見が出ましたが、結局私が出した「ため池改修を積極的に行う」という平凡な意見をグループの意見として取りまとめることになりました。

 数週間後、自宅に届いた封書には、最終面接の日時、場所が書かれていました。

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最終面接 「自分はこれができる」を用意して臨んだが…

 最終面接について。結果から先に言いますが、落ちました。なので、対策やエピソードを披露したところであまり参考にならないと思います。が、話の流れなので書いてみたいと思います。

 転職の面接では、「自分は何をしたい」よりも、「自分は何ができる」が圧倒的に重要視されます。新卒採用がポテンシャル採用なのに対し、中途採用は即戦力採用なので、採用選考で自分は何ができるのかをできるだけ客観的に示す必要があります。

 特に、いまの仕事を辞めたい一心で活動していた私のような人間は、もって組織に貢献できるのかをしっかり理論武装する必要があります。

 私は、これまでの職務経験や志望動機、民間で働くことと公に奉仕することの違いなどをまとめた上で、「今の仕事が嫌なのか」「なぜ辞めるのか」などの想定問答を準備しました。

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 面接当日。面接官は4人くらいだったと記憶しています。50歳代くらいの人に混じり、1人だけ私より若い人がいて、その人が主に質問をしてきました。総務省や内閣府などの中央省庁は、有望な中堅職員を都道府県庁や市役所の幹部として出向させる習わしがあるので、おそらく中央省庁の出向者なんだろうと思いました。

 質問では、私の予想に反し、「何ができるのか」については全く聞かれず、「どうして会社を辞めるつもりなのか」ということを重点的に聞かれました。おそらく面接官たちにとって腑に落ちないポイントだったのだと思います。ひょっとすると、嫌な仕事から逃げるという本当の理由を見透かしていたのかもしれません。

 私は想定問答を用意していたので、答えにつまることはありませんでした。しかし、面接官たちが抱いた腑に落ちない点を解消するには至らなかったのだと思います。

 そんなわけで、内定者に私の受験番号はありませんでした。

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 結果は以下の通りです。

まとめ ー試験会場まで付いてきてくれた妻ー

 最後に妻について触れておきます。私の突飛な挑戦に対し、妻は驚きを感じつつも、むげに反対することもせず、いつも応援してくれました。

 1次の教養試験、2次のGD、そして最終面接と、都合3回採用試験に臨みましたが、妻はいつも会場近くまで付いてきてくれました。もっとも、私が試験を受けている間、近くの商店街や商業施設でショッピングやグルメを楽しむ、というのが主な目的だったようですが…。

 最終的に採用されなかった公務員試験ですが、久しぶりに「試験対策」なるものを行ったこと、そしてある程度の結果がついてきたことで、私にとっては実りの多い体験だったと思います。

 努力は報われるとは限りません。しかし、努力や行動を全くしなければ、結果を伴うことは永遠にありません。時間は取られますが、かかった経費は交通費と宿泊代くらいでしたので、関心のある方は挑戦してみてはいかがでしょうか。

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Posted by かく企画