フリーランスの銀行口座 仕事用・プライベート用の分け方実例

フリーランス

 こんにちは、「かく企画」社長の藤田です。2021年に地方新聞社を退職し、現在はフリーランスのライターとして活動しています。

 個人事業主やフリーランスは、仕事用とプライベート用で銀行口座を分けた方が何かとメリットがあります。このことについては、以前別の文章で取り上げさせていただきました。

 仕事の経費になる支出は仕事用から、そうでない支出はプライベート用から引き落とすことになりますが、具体的にどのような支出が当てはまるのでしょうか。また、自宅で仕事をしている場合の家賃や光熱水費など、一部が経費となる支出はどちらから落とせばよいのでしょうか。

 今回は、私が実際に実践している口座の分け方を紹介したいと思います。

フリーランスを機に口座を作成

 会社を辞めて退職し、フリーランスとして仕事をすることとなり、口座を二つ持つこととしました。会社員時代に給与の振込先としていた地方銀行の普通預金口座を仕事用にして、プライベート用として農協で新たに普通貯金の口座をつくりました。

 農協で口座を作ったのは、私の住んでいる地方にATMが多くあったためです。学生時代に作っていたさくら銀行(現・三井住友銀行)多摩支店の口座でもよかったのですが、地方では都市銀行のATMがほとんどないため仕事・プライベートともに使っていません。

クレカ、交通系ICカードも2枚

 銀行口座と同様、クレジットカードや交通系ICカードも仕事用、プライベート用と分けています。

クレジットカード

 クレジットカードはフリーランスになる前から2枚持っており、銀行系のカードを仕事用に、百貨店系のカードをプライベート用にしています。

 百貨店系のカードの利用分は地方銀行の口座から落ちるようにしていましたが、フリーランスを機にプライベート口座である農協の通帳に紐付け直しました。

 なお、原稿料や経費など、仕事上の収益や費用はクラウド型会計サービス「freee」で管理しています。クレジットカードをfreeeのシステムに同期することで利用履歴が自動で取り込まれるので、自動で仕分けをしてくれるので大変便利です。



交通系ICカード

 交通系ICカードは、JR西日本のICOCAを仕事用に、関東の私鉄が発行しているPASMOをプライベート用に利用。もちろん、ICOCAは地方銀行から下ろしたお金をチャージして、PASMOにはプライベートの農協口座から充当しています。

 ただ、私的な用事で電車を使うことはほとんどんないため、実際に使っているのはICOCAだけです。

使い分けの一覧表

 ここまでの使い分けを表にまとめました。

 仕事用プライベート用
銀行口座地方銀行の普通預金農協の普通貯金
クレジットカード地方銀行系のカード百貨店系のカード
交通系ICカードICOCAPASMO
収支の管理freee特になし

仕事用・プライベート用の現金の区別を徹底

 仕事用の口座から降ろした紙幣・硬貨と、プライベート用口座から引き出した現金は、お互いに極力流用しないよう厳密に管理しています。

 仕事上の支出は、基本クレジットカードで決済するため現金を使うことはないのですが、取材先で車を止めるコインパーキング代など、現金しか使えない場合もままあります。その際は、泣く泣くポケットマネーで支払い、ただちに銀行口座からおろしてプライベートの財布に補充するようにしています。

 例えばコインパーキング代100円を私的なお金から支払った場合、その日のうちに自宅近くの硬貨対応のATMへ行き、100円だけを降ろすようにしています。

 ATMの硬貨取り出し口に「チャリン」と100円玉1枚が落ちる音を聞く度に「俺は仕事用とプライベート用のお金を厳密に分けているのだ」と一人で悦に入っています。

「家事按分」の経費は仕事用から引き落とす

 私は自宅で仕事をしているので、自宅の家賃や光熱水費の一部を経費として処理しています。このように、プライベートの生活費と業務での必要経費を兼ねた支出に対し、業務用で使った分を経費として計上することを「家事按分」と言います。

 個人事業主やフリーランスを始める方の中には、この家事按分の経費を仕事用、プライベート用どちらの口座から落とすかでお悩みのかたもいらっしゃるかと思います。

 どちらの口座を選んでも経費処理はできますが、私は仕事用の地方銀行口座から落とすようにしています、なぜなら、プライベート用の口座より圧倒的に手にする機会が多いからです。

不便を感じたことはない

 他にも使い分けに関するマイルールを決めていますが、きりがないのでこの辺にします。

 融通が利かないと言えるぐらい公私のお金を厳密に分けていますが、不便だと感じたことはありません。この方法はフリーランス当初からのやり方ですが、今まで変えたことはありません。おそらくこれからも大きな変更はないと思います。

 会社勤めをしている人は、たとえ一時的であったとしても会社のお金でプライベートの支出を立て替えることはないと思います。それは業務上横領となり、手が後ろに回ることとなります。

 個人の会社ではもちろん、フリーランスや個人事業主であっても、お金の公私の区別はきっちり付けるべきだと考えます。