私の痛風体験記

2023年3月30日

 転職をしたり、フリーランスとして独立したり、また同じ会社でも部署や職種が変わると、生活習慣が変わる場合があります。例えば、起きる時間や寝る時間、食事の時間、ストレスの有無、体を使うか頭を使うかなど。食べる量や飲む量が増えるケースもあるのではないでしょうか。そんな環境の変化により、思わぬ病気にかかることもあります。

 こんにちは、社長の藤田です。

 フリーランス2年目の秋、43歳にして痛風の発作に見舞われることとなりました。元々尿酸値が高かったので「ついに来たか」と思った一方で、ストレスは軽減し、酒の量も減ったのに、なぜ発作が起きたのか不思議でもありました。

 「風が当たっても痛い」と表現されるほど激痛を伴う痛風。闘病の記録を残すことで、40歳代フリーランスが気をつけるべき健康管理について考えたいと思います。

 なお、痛風に関する記述はあくまで私個人が見聞きしたものです。症状でお困りの方は、医師など専門家にご相談下さい。

歩けないほどの激痛 外傷を疑う

 10月7日午前3時、私は左足の痛みで目が覚めました。寝返りを打つごとに、足首に痛みが走ります。トイレに行こうとベッドを降りてもうまく歩くことができませんが、この時点ではまだ立ち上がることができました。時間が経つごとに痛みは増し、夜が明けた頃は少し動かしただけでも激痛が走るようになりました。

 実は前日から、左足に違和感はありました。数日前の日曜日、妻の実家で稲刈りを手伝ったので、そのときの疲れが出てきたか、米を運ぶときに足をひねったかな、と思っていました。

 ですので、最初は外傷によるものだと疑いませんでした。骨にひびが入っているに違いないと確信しながら、朝一番に自宅近くのクリニックに車で行きました。

笑って出迎えてくれたドクター

 激痛に耐えながらクリニックのドアをくぐり、受け付けで診察券を渡して、自分の番を待ちました。それほど混んでおらず、数分で名前が呼ばれたのは不幸中の幸いでした。

 名前を呼ばれ、私は足を引きずりながら診察室に向かいました。なかなか来ない患者を不思議に思ってか、先生が診察室の外まで出てきていました。

 「あー痛そうだね、ハハハハ」。大きな声の先生は人の不幸を笑って出迎えましたが、不思議とその笑いに嫌みや悪意を感じませんでした。この時点で医師は、痛風であると見抜いていたのでしょう。

 数分間の問診で、先生に「痛風の可能性が高いですね」と言われ、私は初めて外傷でないことを知りました。足のレントゲンを撮ってもらい、採血を受けました。その後、骨に異常がないことと、血液検査で「ばい菌の値が少し高い」ことの説明を受けました。

痛風に有効だという「RICE療法」

 先生が言うには、痛風の激痛を緩和する方法として「RICE療法」を実践するように言われました。

 RICEとは、Rest(休息)、Icing(冷却)、Compression(圧迫)、Elevation(高めること)の四つで、それぞれ体を休めること、患部を冷やすこと、患部を圧迫すること、患部を心臓の位置より高くすること。よくギャグ漫画で、爆発に巻き込まれたキャラクターが病院で足がつり上げられているのを見ますが、これがエレベーションなんだと思いました。

 治療薬としては、患部の細菌感染を治療する薬、痛みや炎症を抑える薬に加え、胃薬と湿布を処方してもらい、また1週間後に来るよう言われました。怒られるのを覚悟で「もう酒は飲めませんか」と先生に聞いたところ、「痛みがあるうちはやめたほうがいいでしょう。一生飲めないことはありませんよ。酒が飲めない人生なんてつまらない。ハハハハ」と大きな声が返ってきました。

 自宅に帰り、段ボール箱を台にして足を高く保つと、少し楽になりました。段ボールは、麦焼酎を割るための炭酸水の箱。酒をつくるもので痛風を治すとはつくづく因果なものだなあ、と考えながら、ひたすら横になっていました。

運動不足が原因か?

 解せなかったのは、酒の量もストレスも減ったのにもかかわらず、なぜ痛風にかかったかということです。

 会社に勤めていたころは、毎晩ロング缶2杯を欠かさない生活が続いていました。仕事を辞めてからは、ストレスが減ったこと、そして何より経済的な理由から休肝日を設けるようになり、週によっては土日しか飲まない日も珍しくなくなりました。

 ストレスについても、クライアントとのやり取り、原稿での行き詰まり、そして売り上げなど、会社員時代にはない悩みを抱くことはありましたが、比較的自由な働き方によりストレスの総量は減っているという自覚を持っています。

 ただ、一つ思い当たるとしたら「運動不足」でしょうか。私はフリーランスになってから、毎日30分から1時間走ることを心掛けていましたが、7月あたりから夏の暑さでサボりがちになっていました。さらに、同じ時期に大型案件を手掛けていたため、一日中自宅から出ずに机に向かい続ける日もしばしばでした。

 今回の痛風と運動不足の因果関係ははっきりしませんが、自宅で仕事をすることが多いフリーランスは、意識して体を動かさなければいけないことを痛風だけに“痛感”しました。



仕事への影響と予後

 今回寝込んだことによる仕事への影響ですが、発症したのが金曜日で週明けまで取材がなく、納期が近い原稿は前日に提出していたので(前日、なぜかいつもより文章がスムーズに書けた気がします。虫の知らせだったのかもしれません)、クライアントに迷惑を掛けることはありませんでした。

 発作が起きて安静にしていましたが、翌日の夕方ごろには、だいぶ痛みが引きました。足の違和感はしばらく残ったままですが、生活への影響はほとんどありませんでした。

 1週間後、再びクリニックに行きました。相変わらず足に違和感がありましたが、先生から「痛みの緩和は終了し、尿酸値を下げる治療をしましょう」と言われ、尿酸値を下げる薬をもらいました。

 3カ月が経過した現在も、薬を飲む日が続いています。そして2月には再び病院へ行き、血液検査を受ける予定です。

 さらに、皆さんのお役に立つような続報がございましたら、また何か書きたいと思います。



自己管理

Posted by かく企画