恐怖のチャンピオンベルト
こんにちは。「かく企画」社員の仮面ライターです。
このブログ記事を読んでいる方で、定期的に健康診断を受けている人はどれくらいいらっしゃるでしょうか?
今回は、健康診断のときに選ばれた人にだけ巻かれる「恐怖のチャンピオンベルト」について書きたいと思います。王位から陥落するしかベルトを返上する方法はありません。
チャンピオンへの階段
私は、バイト先で定期的に健康診断を受けています。
身長や体重、血液検査の後、時々、紐状のメジャーで腹囲を測ります。ご存知かもしれませんが、85センチを超えたら男性は「メタボ」判定です。
10年くらいのことです。腹囲測定がメジャーではなく、ベルト型の測定器で実施されました。内臓脂肪計という機械で、みためはボクシングのチャンピオンベルトのようでした。
どういう基準化はわかりませんが、ちょっと「メタボ」の疑いがある外見の人は、すべての計測が終わると、保健師さんに声をかけられ、「計測会場」に連れて行かれました。
その日は、かなり大柄と言うか、メタボチックな後輩と一緒に健康診断を受けました。後輩が会場に半強制的に連れて行かれたのを見ていると、「あなたもです」とご指名がかかりました。私はそのときはセーフでした。
内臓脂肪が測定されると、どれくらいの脂肪の塊が腹回りについているか、模型を見せられました。これが、どろっとした黄色で、古くなったオイルのような感じ。インパクトはなかなかです。
ちなみに、後輩は完全アウト。判定が出ると、何も話さなくなりました。ノックアウトです。
保健師からの挑戦状
それから10年の月日が過ぎました。今年の健康診断が近づいてきたある日、保健師さんから1通のメールが届きました。
――メタボの疑いがありますので、次の健康診断時は必ず腹囲測定を受けてください――
非常に感じが悪いメールです。家でこっそり腹囲を測ると、90センチ。5センチオーバー。でも、自分でメジャーを巻いて測っても、診断ではいつもセーフ。5センチくらいは大丈夫なはずですが、ちょっと不安になりました。
どうして、予告メールが今回は送られてきたのか? 誰かが最近の不摂生を保健師に密告したのか? そんなわけはありませんが、用心しなければいけません。
私はにわかダイエットを始めました。
気がつくとあと3週間
メールを受け取ってから健康診断まで1ヶ月半ありました。
余裕と思いながら日々を過ごしていると、あっというまに3周間前。腹囲は88センチです。
「意外と腹囲も体重も改善しない」
85センチを切らないと、健康指導というなんやら厄介なことに巻き込まれます。指導されるのが、子どもの頃から嫌いな私。真面目に3週間を過ごしました。
まず、腹筋。効果的な腹筋方法をネット検索しました。そして、なによりも食事に気をつけました。夕方以降に食事をすることは控えました。最後の4日は、朝食を少しだけにしました。前日は水のみ口にしました。
段々と食事を減らしていくと、思いの外、空腹に耐えられました。もちろん、「お腹が空いたなぁ」という感じはあります。
ただ、普段だと、そこそこカロリーのパンチがないと胃袋は満足しませんでしたが、最後の5日は、刺身コンニャクでも蒸したキャベツでも大丈夫でした。物理的に胃袋になにか入れば、満腹感はありました。
迎えたタイトル戦 結果は?
とうとう迎えたタイトルマッチ。すべての検査項目が終わると、最終チェック担当の保健師さんが言いました。
「お疲れ様でした」
――あれ? 挑戦状をもらっていたのに、やらないの?――
まぁ、いいか。私は会場を後にしました。
すると、「ああ! 待ってください。まだありました!」
――え?! 私のこと?――
そうです。私です。保健師さんは気が付きました。チャンピオン挑戦資格があったことを。
緊張しながら計測に望むと、85.5センチ。5ミリオーバー。家で測った時は85センチを切っていたのに。
メタボ判定を受けた私は、別室に連れて行かれました。屈辱感でいっぱいです。5ミリなんて、大きな宇宙と比べたら、見えないとか、頭の中でいろいろな言い訳が駆け巡りました。
あと2キロ体重を落とすことを約束させられました。負けたら何も言えません。敗者は従うのみです。
ちなみに、それから数ヶ月が過ぎました。2キロ減量どころかリバウンドしてしまいました。それなのに、保健師さんと約束した期日が近づいてきました。
5ミリオーバーが引き起こした悲劇、苦難、災難。ほぼ絶体絶命です。あと数週間で、私は目標をクリアーできるのでしょうか?
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