フリーランスも予算を立てよう ー前編・予算とは何か なぜ立てるのかー
今回は、私がフリーランスの仕事で実践している予算の立て方、チェックの仕方を紹介します。実感が湧くよう、実際に私が使っているシートを交えて説明したいと思います。
こんにちは、「かく企画」社長の藤田です。
「予算を立てる」というと、何か難しいようなイメージを持つかも知れませんが、要は収益と支出の計画をつくることです。
フリーランスは会社と同様、一つの事業体であり、支出が収益を上回り続ければ、いずれ破産します。会社と同様、売上に対してどれだけの費用がかかっているかを把握して、経費節減につなげる必要があります。
私はフリーランスとして働き始めてから、月ごとの予算を組むようにしました。毎月実際に使った額と予算額を比べ、差が発生した場合は何が原因なのかを考え、無駄な出費を抑えたり、次の月以降のお金の使い方に反映させたりしています。
少し前置きが長くなりましたが、今回は自分なりにエクセルで作った予算の表についてご披露したいと思います。
私がなぜ予算にこだわるのか
本題に入る前に、私がなぜ予算を立てることにこだわるのかについて、少しだけ書きたいと思います。
私は会社に勤めていたころ、仕事で企業の経営者や個人事業主と接する機会多くありました。そこで、自分の会社や事業でどれだけの売上があるか、どれだけ経費が掛かっているかを把握していない経営者、自営業者に多く出会ってきました。
私の主観ですが、自身の経営状況を把握していない事業主ほど、経営改善をしていこうという意識は薄い傾向にあるように感じました。もうからない理由が分からないので、経営不振の理由をひとまず他人のせいにして、激しく攻撃する人もいました。私もその攻撃のターゲットになったことが何度もあります。
たとえ経営不振の理由が他者にあるにしても、売上や経費をつまびらかにした上でできる限りの経営努力をし、その上で取引先に仕入を安くしてもらったり、顧客に単価を上げてもらったりといったアクションを起こすのが筋だと思います。経営努力をしないまま、他者に責任をなすり付けても何の成長もありません。
はっきり言って、自分のお金を本気で心配してくれる人は、この広い世の中に自分しかいません。親身になってくれる税理士や中小企業診断士はいるかもしれませんが、それは報酬という対価があるからであって、無償で経営を気に掛けてくれるような神様みたいな人はいないでしょう。
自分の財産、そして事業(仕事)を自分で守るため、予算を立てる必要があると考えます。
予算を組むメリット
予算を立てるメリットはいろいろあります。
無駄遣いが分かる
予算額に対し、使った額がどれくらいかをつまびらかにし、予算額と使ったに差がある場合はその原因を考えることで、無駄使いをあぶり出すことができます。
経費の必要額が分かる
継続的に使った費用を記録し、節約法を検討することで、真に必要な経費の額が分かるようになります。1カ月の経費の必要額を把握しておけば、「今月は使いすぎてしまった」などといったことがすぐに分かります。
お金に対する問題意識が身に付く
予算を組み、節約法を考えることで、「この経費は本当に必要か」という問題意識が身に付きます。さらに、お金に対する知識や判断力(マネーリテラシー)を養うことができます。
エクセルで作った私の予算の表
それでは、実際に私が実践している予算の表をお目に掛けたいと思います。
私は、エクセルを利用しています。1カ月につき一つのシートを利用し、費目ごとの予算額、実際に使った額、予算額と使用額との差を表示しています。
7枚目のシートには、6カ月分の合計額を表示しています。
表の右側の「当月予算」の欄には、売上の目標額に加え、1カ月に使う費用の予想額を費目ごとにあらかじめ記入しておきます。
そして、その月の収入と支出が確定した時点で、「当月発生」の色の付いた部分に実績額を入力していきます。
表にはエクセルの関数を入れているので、予算額と実績額の差が「差額」のところに表示されます。▲は予算より少なかったことを表し、無印は予算オーバーした額です。予算比は、予算額に対する実績額の割合です。
後編では、この表を使った予算の立て方、無駄遣いの検証の方法をご紹介したいと思います。
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