記者のカバンが重いわけ

 みなさん、こんにちは。「かく企画」社員の仮面ライターです。

 私は昔、新聞記者をしていました。私に限ったことではありませんが、記者のカバンは、かなりの重量があります。今回は、新聞記者のカバンについてお話したいと思います。

居酒屋の人がビックリ

 記者時代、居酒屋に行くと、「お荷物、邪魔でしたら、こちらでお預かりします」と。店の人に声をかけてもらうことがありました。

 荷物を渡すと、ほぼ毎回、「うぁ、これ、何が入ってるんですか?」と言われました。

 それは、私だけではなく、一緒に飲みに行ったほかの新聞社の記者も同様です。

 女性記者のカバンは見た目こそ、トートバック型などおしゃれですが、やはりズシリとしていました。「記者のカバンは重い」と、断言してもいいと思います。

 記者時代に知り合った公務員の人は、出勤の際は手ぶらでした。携帯電話と小型の財布をポケットに入れるだけ。持っていくものはないという通勤スタイルが羨ましかったです。

記者のカバンに入っているもの

 新聞記者は特別な職業だとは思いませんが、どうしてこんなにカバンが重いのでしょうか?

 必ず持っていなければならないのはノート型パソコンです。どこからでも、原稿を送らなければいけないので、通信機器も持っています。今は、USBスティック型で、かなり軽くなりました。

 これくらいは、ほかの仕事をしている方でも同じだと思います。

 次に、一眼レフカメラ。カメラはコンパクトカメラで済ませている記者もいますが、基本は一眼レフカメラです。カメラの電池の予備やパソコンにつなぐケーブルなども持ち歩きます。これが結構な重さになります。

 どうして一眼レフカメラが必要なのかというと、まずはその性能です。最近のコンパクトカメラの性能はずいぶん上がっていますが、暗い場所や動きが速いものを撮影するには、一眼レフカメラが安心です。また、人物を撮影する場合、さすがにコンパクトカメラだと失礼だと思います。

 私は、レンズの換えも持ち歩いていました。ある程度の望遠が撮れるレンズと、広角で近くが撮れるものです。

 雨の日に事件現場で取材するときのため、ホテルで貰えるシャワーキャップを数個持っていました。

 昔、つきあっていた人に、「ホテルに泊まってシャワーキャップがあったら僕にちょうだい」とお願いしていました。雨の日に使うことは説明していたのですが、彼女は使い方を誤解していました。雨の日に、私がシャワーキャップを頭に被って撮影していると思っていたそうです。そうではありません。シャワーキャップでカメラを覆い、レンズ部分を外に出して雨の日は撮影しました。

 最近は、動画も撮影します。テレビの記者が持っているレベルの機材ではありませんが、軽めのビデオカメラを使います。

 一眼レフカメラでも動画を撮れる機種があります。ですが、私はいつも、自前のビデオカメラをバックに入れていました。

 意外と無視できないのはノートです。

 取材メモはノートに書きます。記者のノートは、訴訟となったときの証拠になると新人教育のときに言われました。ですから、ノートは必需品です。換えのノートも数冊必要です。

 また、随分前の取材についてデスクは予告なしで聞いてきます。紙面に掲載されるまで、前のノートを持ち歩かなくてはいけませんでした。

 数年前に出会った新人記者は、電子端末にメモを書いていました。新聞社として、OKしているのかは知りませんが、時代が変わったと思いました。

 その他には、ペンを数本、財布、記者証、取材資料、携帯電話の充電器などです。

 県庁の担当をしていた同僚のある記者は、たくさんの取材資料を持ち歩かなければなりませんでした。そのため、パソコンなどを入れるカバンとは別に、資料用のトートバックを肩から下げていました。

 また、泊まり勤務があると、着替えや歯ブラシを入れなければなりません。女性記者であれば、化粧品なども入れるので、なかなか大変だと思います。

 私の場合、夏は着替えのシャツとタオルを入れていました。

丈夫さ命 記者のカバン

 これらの「記者道具」を入れるカバンですが、リュックを使ったり、肩掛けカバンを使ったりと、それぞれです。トートバックを使う人もいます。

 事件や災害現場に行く機会がある社会部の記者は、頑丈なものを選ぶ傾向があるように思います。雨対策も、カバン選びのひとつの要素です。

 スポーツを取材する記者は、さっと着ることが出来る防寒着などをカバンに入れていました。広い競技場では、長時間寒さに耐えなければいけません。

 記者のカバンは高級品でなくて構いません。大事なのは丈夫さだと思います。

 悩ましいのは、頑丈なカバンは、それ自体が重いことです。私は、TUMIというメーカーのリュックを使っていました。頑丈で機能的だったからです。

 記者の仕事から離れたある日、TUMIのリュックを手にしてみて、「こんな重いものを使っていたんだなぁ」と、昔を思い出しました。

まとめ

 記者の持ち物を書き出してみます。

・ノート型パソコン
・通信機器
・付属のケーブル
・一眼レフカメラ
・カメラのケーブル
・広角レンズと望遠レンズ
・ノート3~5冊
・ペン数本
・電話の充電器

 こうして見てみると、大したことはありませんが、すべてをカバンに入れると、ずしりときます。

 異様に膨れたリュックを背負い、事件や事故の現場をうつむき加減で歩いている人がいたら、それは新聞記者かもしれません。

新聞記者

Posted by かく企画