のび太くんが語る 自学のすゝめ
数学や歴史など、学校で学んだことは仕事に役立つのか? 私は30代後半に自学を始め、時々挫折をしながら40代になっても自学を続けています。
今回はこれまで取り組んだ自学を紹介し、その効用について考えてみたいと思います。フリーランスになったり、副業で収入を得たりするための学びにつながれば幸いです。
この回の担当は、「かく企画」社員の仮面ライターです。
高校時代まで「のび太君」状態
私が自学を始めたのは40歳の手前だったと思います。きっかけは、このブログの「予定づくりのプロ 実行は大の苦手」の回で少し触れましたが、三輪裕範さんが書かれた「四〇歳からの勉強法」(ちくま新書)を読んだことでした。もう40代が目の前に迫っていて、書店で題名を見て、ぱらぱらとめくってすぐに購入しました。
その本を読んだ後に大学院で必読だった本を読み返しましたが、当時と同様、なかなか読み進みませんでした。また、第二外国語も挫折していたのですが、サークルのような教室に通って学びました。
目標作りが趣味の私は、自学の計画を作っては遅れ、また作っては遅れ、という繰り返しをしていました。モチベーションも少しずつ弱くなり、自学をやめるという決断はしませんでしたが、実質的にほぼ何もしていないような週が多くなってしまいました。
そんな時に、元外交官で作家の佐藤優さんの本をいくつか読みました。佐藤さんは、私には考えられない量の本を毎日読み、たくさんの執筆をされています。ビジネスパーソン向けに、自学をすることの意味を説明されていて、購入した本は学びが多く、本代以上の価値がありました。その中でも、「読書の技法」(東洋経済新報社)と「超したたか勉強術」(朝日新書)がお薦めです。
三輪さんや佐藤さんの本を読んで自分なりに自学をする意味を考え直しました。まずは、自分の教養の足りなさです。本は読む方でしたが、学校の勉強は定期テストで赤点を回避するためくらいでした。大学受験で真剣に勉強をした記憶がなく、このままではどこにも入学できないという状況になってから必死になったという過去があります。古文は苦手で高校3年時の定期テストでは、ほぼ毎回ビリ。数学は高校3年生になる時に、文系コースを選んで実質的に2年生で終了。英語は元々ろくに勉強をせず、社会人になるとほぼノータッチでした。
ドラえもんに助けてもらい、まともに成長しなかったのび太君のような人間でした。
実用のため 教養のため それは自分のため
先ほど書いたとおり、大学院の本を数カ月でギブアップした私。佐藤さんの本を読んで、またちょっと火が点いて、しばらくすると勉強をしなくなるのではないかと、正直心のどこかで思っていました。実際、そうなりかけてしまいました。ところが、「目標が実現した私」の回で書いたように、小説を書き上げたり、この「かく企画」の社長と、週一の会議を始めたりして、少しずつではありますが、自学が進むようになりました。
昨年から最近までの間に終了した勉強は以下の通りです。
- Excel
「ビジネスExcel完全版」(日経PC21)で学びました。すべてのページをマスターすることはしませんでした。Excelがまったく使えないところからスタートしたので、基本的な関数を理解するところを目標に取り組みました。週3日で1回30分~1時間。3カ月で終了しました。
- 英文法
大学院時代に買っただけになっていたOxford社の「Practical English Usage」を読みました。600頁以上もあります。英語文法を英語で学ぶという、良いのか悪いのかわからない方法でしたが、慣れてくると大丈夫でした。もちろん、英和辞典を片手に読みました。途中から例文をいくつか読んで、理解出来ている項目は、若干飛ばし読みをしました。週1~3日で1回15~30分。10カ月かかりました。気になる表現や難しい言い回しなどには、ラインマーカーを引き、2回目に挑戦したいと思っています。
- 歴史
高校の世界史教科書を2回読みました。教科書は最近のものを購入。「詳説世界史B」(山川出版社)です。ネット検索をしながら読みました。というのは、記述されている国が、地図に載っていないことがあるからです。他にもよくわからないことは、ネットで調べました。こちらは、週に1、2回。15分くらいで半年かかりました。記憶に定着させるために、アウトプットを主眼とした問題集をやってみようと思っています。
数千年の歴史から考えてみる自分の状況
自学による効用は、主に2つ発見しました。
ビジネス書などは、この半年くらいで効果が出てくるような内容です。これまでとは違う仕事のチャンスに結びつけば、楽しく働けるという期待が持てます。
一方、教養のカテゴリーに入る歴史を学ぶと、視野が広がるように感じます。受験勉強のような詰め込みに意味があるのかという議論は存在します。高校生の私は、詰め込み勉強の意義を否定していました。ただ、実際に学び直してみると、教養を深めるための基礎づくりにはなると感じました。
高校の世界史教科書をじっくり読んだ結果、仕事で起こっていることを俯瞰して見る癖がつきました。人間は大昔から同じようなことをしている。人間が作る組織の欠点は、昔から大して変わらない。なんてことを思うと、少し落ち着きます。自分ではどうしようもないことに直面した時に、ちょっと落ち着いて考えるようになりました。もちろん、悠長なことを言っていられない状況も多々ありますが……。
次回は、挫折した自学の項目をご紹介します。うまくいくことばかりではありません。そして、挫折も含めて、現時点で得られたことについてもお話ししたいと思います。
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