転職・独立する前に まずは副業に挑戦しよう

2023年4月2日

 先が不透明な現代、会社勤めをしながら副業を行うのは、収益の面ではもちろん、スキルアップや将来の可能性を広げる面からも、非常に有効な手段です。

 こんにちは、社長の藤田です。2021年に19年3カ月勤めた新聞社を退職し、フリーランスのライターとして活動。2023年1月よりブログを開始し、学歴も会社も頼れない時代の生き延び方をテーマに情報発信しています。

 最近では働き方改革の一環で、副業の解禁に踏み切る企業も増えています。また政府も、企業、働き手双方が安心した上で副業が行えるよう、「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を定めています。

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000192188.html

 私自身、会社に勤めていたときは就業規則で副業が禁止されていました。しかし会社を退職してフリーライターになった今、やっぱり副業を経験しておいた方がよかったなあ、と思っています。

 今回は副業にスポットを当て、メリットや、副業でよくある業種について紹介していきたいと思います。

副業のメリット

 会社勤めをしながら副業を行うメリットはいろいろありますが、主に次の四つを挙げます。

リスクが小さい

 自営業、フリーランスとして完全に独立するのと比べ、会社勤めしながらの副業は必然とリスクが小さくなります。

 会社員が副業を行う場合、本業からの収入源があるため、副業で失敗しても生活が破綻することはありません。失敗した場合でも再チャレンジが可能。本業を頑張りながら、起死回生の機会をうかがい続けることができます。

 独立開業は、事業が軌道に乗らないと収益が安定せず、生活が苦しくなります。私も会社を辞めてフリーランスになった結果、預貯金を多く取り崩すことになりました。

収入が得られる

 当たり前ですが、会社員が副業をすると、追加の収入を得ることができます。

 給与以外の収入源があることで、生活費の余裕ができたり、将来のために貯蓄することができたりします。

スキルアップが図れる

 会社とは異なる業種の副業に取り組んだ場合、本業にない経験を積むことができるため、スキルアップにつながります。新しい分野での経験が会社での業務に役立つなど、相乗効果をあげることができれば言うことはありません。

 もちろん、会社の仕事と似た副業であっても、スキルを上げることにつながります。

ネットワークが広がる

 副業をしていると、会社勤めでは接することのない人々と出会う機会があります。副業で新しい人脈を獲得することができ、新たなビジネスチャンスやキャリアアップの機会が生まれる可能性があります。

 副業で関わる業界や分野のコミュニティに参加することで、その分野の専門家や関係者と交流を深め、人脈を拡大することができます。副業で獲得した人脈が、将来の起業やフリーランスとして活動する際に役立つこともあります。

副業でよくある業種

 副業でよくある業種を紹介します。

①ライター
②レビュー
③覆面調査員
④プログラミング
⑤オンライン講師
⑥翻訳
⑦ハンドメイド販売

 このうち、私は①~③は実際に行ったことがあります。ただし副業ではなく、会社を退職してフリーランスになった後に経験しました。

ライター

 私の今の本業ですが、休日や隙間時間に取材、執筆ができる案件なら、十分副業でも行うことができます。雑誌や書籍、ウェブメディアなど、執筆媒体もさまざま。ブログの運営なども、広い意味でライターの仕事と言えるでしょう。

 副業として限られた時間の中でライティングを行う場合、自分が興味を持っている分野や得意分野を中心に執筆すれば、効率的に、多くの収入を得ることができます。記事のクオリティーも高くなり、クライアントからの信頼も増すでしょう。

商品のレビュー

 商品やサービスを評価する仕事です。商品やサービスを実際に使い、感想などを書いて報酬を得ることができます。

 レビューサイトやブログ、SNSなどを利用したレビューもあります。専門的な知識は必要ありませんが、正確な情報を提供することが求められます。

 私は、寝具についてのレビュー募集に応募し、布団のダニ取りシートのレビューを書いたことがあります。効果のある製品で感心していたので、商品の価値を多くの人に伝えるという充実感も得ることができました。

覆面調査員

 ある企業の店舗やサービスを訪れ、匿名で商品やサービスを評価する仕事です。企業から依頼を受けて、その企業の商品の品質やサービス内容などを評価することが主な仕事となります。

 自分の好きな時間に仕事ができる点が魅力。報酬は1件あたり数千円程度が多いようです。

 私も実際に覆面調査をしたことがあります。“覆面”ですので、何の調査をしたかはここでは言えません。報酬は1日1万円で、1日10件前後のサービスを受け、接客や営業スキルを評価するといったものでした。

 スキルもいらず、空き時間にそれなりの日銭は稼ぐことができるのですが、同じような接客を何度も受けるので、飽きてしまうというデメリットがあります。私も長くは続きませんでした。

プログラミング

 コンピューターやスマートフォン、タブレットなどのアプリやウェブサイトを作成するための技術です。企業などから仕事を受注し、パソコンで作業します。自宅で仕事ができるのが大きな魅力。報酬は案件によって異なりますが、高い報酬が期待できる分野の一つです。

オンライン講師

 近年需要が高く、稼げる副業の一つです。語学やIT技術、趣味といった自分の得意なことを、インターネットを通じて教える仕事です。報酬は時間単価やレッスン回数によって異なります。

翻訳

 ビジネス書や小説、Webサイトなどの翻訳業務です。当然ながら外国語のスキルが求められます。報酬は専門性の高い案件ほど高くなることが多いです。

ハンドメイド販売

 自分で手作りした商品を販売する仕事。「本当に副業として成り立つのか」と思っていましたが、女性を中心に稼いでいる方がいらっしゃるようです。

 例えば、アクセサリーや服、雑貨などを手作りして、ネットショップやフリーマーケットなどで販売。自分の得意な分野で製作して販売することができ、自分で作成したものに愛着を持っている方にはお勧めの副業です。

就業規則を守り、副業しなかった私

 私自身、新聞社に勤めていたときに1回だけ、ライターの副業をやろうと考えたことがあります。それは、記者から営業職への異動が決まったときでした。

 畑違いの職種に就くことが決まり、入社以来14年間研鑽してきたスキルをこのまま埋もれさせるのはもったいないし、営業なら記者よりもプライベートの時間が取れるという根拠のない期待もありました(実際そんなことはありませんでした)。

 記者をしながらライターの副業をするのは、利益相反行為として問題があるかもしれません。しかし記者を離れるのだから、コラムやセールスライティングなら大丈夫だろう、と考えました。

 クラウドソーシングサービスを利用した仕事の見つけ方など、副業のノウハウもいろいろと調べていました。

 しかし、ある先輩に相談したところ、次のような返事が返ってきたのです。

先輩
先輩

うちは副業禁止されとるでー

私

えっ

 私は、就業規則を見返しましたが、そのような規定はどこにもありませんでした。

私

就業規則には何も書いてありませんが…

先輩
先輩

ここに『職務専念義務』ってあるやろ。この規定で、事実上副業が禁止されとるんや

 先輩は「副業するなら黙っておく」と言ってくれましたが、いろいろと考えた結果、副業を行うのはあきらめることとしました。



まとめ 新たな可能性が開けるかも

 この稿では紹介しませんが、副業禁止の会社でもバレずに副業できる方法はあります。それでも、何となく後ろめたいと思い、踏み出すことができませんでした。

 しかし今になって当時を振り返ると、やはり副業をしておけばよかったかな、と思います。フリーライターとして、もっと早く軌道に乗ることができていたかもしれませんし、新たな可能性や進路が開けたかもしれません。

 就業規則を犯してまでも副業をしろ、というつもりはありませんが、私のように迷われている方は、一歩踏み出してもよいかもしれません。

働き方

Posted by かく企画