難しい本を読むワケ

本の紹介

 「学歴も会社も頼れない時代にどうやって生き延びるか」をテーマに体験や考えていることを紹介しているこのブログ。学ぶことは、生き延びるために必要なことだと思っています。

 みなさんもいろいろな学びを職場の実体験や書物で重ねていらっしゃると思いますが、今回は読むことにフォーカスを当てたいと思います。

 遠回りかもしれないけれど、副業やフリーランスを目指すことにつながるのでは。そう願いながら書いていきます。最後まで読んでいただけたら嬉しいです。

本棚に眠る古典 手を付けてみる

 「学ぶことは、生き延びるために必要なこと」などと、偉そうなことを言いましたが、私は学校ではかなりの怠け者でした。でも、このままではやっていけないと考え、仕事に役に立つ実用的な本を読んだり、小説を読んだりしています。実用的な本ならば、PCスキルや資格試験など。小説は国外の作家の本が好きです。

 それらとは別に、「古典」を読むようにしています。私の場合、100年以上前に書かれた、人文社会科学の分野を読んでいます。夏目漱石やチャールズ・ディケンズの小説も、100年以上前に書かれていますが、一応、ここでは該当しないものとします。

 なぜ読むのかと言えば、教養を身につけたいからです。私の本棚は、高校、大学の頃に買った本が「積読(つんどく)」状態で残っています。大学では政治学を専攻したので、政治学の古典と言われている本があります。

 実は、10年くらい前にその中の1冊を手に取りました。マキアヴェリの「君主論」でした。大学時代、レポートのために読んだけれども、難しくてよくわかりませんでした。就職して仕事をするようになった後、書棚の奥に押し込まれている本の題名をテレビなどで耳にすることがあり、気にはなっていました。読んだけども、内容を覚えていない。そもそも読んだ時に理解したのかもおぼつかなかったからです。30代になって読み返した「君主論」は、真ん中辺りから読み進まなくなりました。大学時代よりは理解できたような気はしますが、なんとなく読了したという感じでした。

 私の長年の趣味は、実行出来ていなけれども、自学や体調管理の計画を作ることでした。その中の予定項目の一つに、少なくとも5年前から古典読書がありました。実際には数冊しか読んでいませんでした。しかも、いつも半分くらい読むと、再び本棚に戻していました。

「コテン」と計画倒れ なんとか避けたい

 2022年から現実的に実行できる計画を志すようになり、古典読書も計画倒れを避けるようにしました。今年読んだのは以下の本です。

①E.H・カー「危機の二十年」
②イェーリング「権利のための闘争」

 「危機の二十年」は小さな活字で400ページ以上もあり、半年くらい書けて読みました。週に1、2回30分から1時間くらいです。難解な部分もあり、1ヶ月を開けてしまった時期もありました。20代、30代の2回と今回で計3回目の挑戦で読み切りました。

 「権利のための闘争」は、約140ページと薄いのですが、序文で30ページくらいあります。また、古代ローマ法の話も出てくるという内容です。

 過去の読み方と今年が違うのは、読了後にメモを書くようにしたのです。付箋を張り、鉛筆で線を引きながら読んでいきました。これまでもしていましたが、各章ごとに要旨を説明できるように心がけ、実際にノートに書き出しました。最後に、この本は全体として何が言いたかったについて、まとめました。また、自分が考えた、現代に活かすことが出来るポイントや感想も書くようにしました。

 古典の読み方の参考にしたのは次の本です。参考というよりも、書いてあることをほぼ忠実に実践しました。

①佐藤優「読書の技法」(東洋経済新報社)
②樺沢紫苑「アウトプット大全」(サンクチュアリ出版)
③樺沢紫苑「インプット大全」(サンクチュアリ出版)

週1回の会議を利用 集中力が高まる要旨説明

 メモを取る以外には、週1回の「かく企画」の会議「週次会議」で、藤田社長に要旨を説明しました。読んでいる時に、「社長に説明できるように」という意識付けがされ集中力が高まります。

 また、プレゼンテーションをすることで、理解したつもりの部分が、社長の質問によって消化不十分だったことに気付かされることがあります。そして、人に伝えることで記憶に残ります。社長への説明は2,3分くらいです。それでも、読み方が変化したと実感しました。

 失敗した点もご紹介します。

 古典読書は、思いの外時間がかかります。古典には、「ここまで長いたとえの例示は不要なのではないか」と思うような文章が出てきたりします。実行可能な計画を作るように今年からバージョンアップをしたはずの私ですが、そうした長い例示部分と格闘しながら、予定はかなり遅れました。もちろん、サボってしまった日もあります。正直に言いますが、いくつかのページは斜め読みをしました。そして、先に進んでから必要があれば元に戻るという読み方をしました。

マイ・ルールでピンチから脱出  サボった日々も記録して活かす

 要旨がわかっていれば、長い例はある程度読み飛ばしても良いという「マイ・ルール」を作ったところ、挫折することなく読むことが出来ました。

 サボったり、遅れたりする古典読書ですが、そうした日々を出来る限り記録に残しました。私は、Excelでカレンダーを作り、古典読書を含め、「TODO」リストを作っています。どのくらいサボったかもわかりますが、どのくらいのスピードで読めるかもわかるようになりました。ページ数にもよりますが、月1冊という目標がギリギリだというとがわかってきました。

 古典を読了するようになって気がついたことがあります。普通の日本語を読むスピードが格段に早くなったのです。難解な古典を読むことで、新聞や雑誌は、これまでの倍くらいのスピートで読むことが出来るようになっていました。

 私が読む古典は、欧州言語を専門家が翻訳したもので、日本語なのにかなり読みにくいのが特徴です。話は脱線しますが、私が読んだのは大学時代に購入したもので、その頃に訳されたとしても20年以上前。「権利のための闘争」の巻末を見ると「1982年第1刷発行」でした。40年前です。後少しで半世紀前になります。兎に角読みにくかった印象です。

新しい読書の仕方を発見 Amazonは購入以外にも「使える」

 今回、発見した新しい読書方法があります。読み終わった後に、Amazonサイトで検索するのです。本の要約や感想を書いている人たちがいます。他の人たちの意見を読んで、読み間違えていないかを確認し、意味がわからなかった部分を補いました。

 「危機の二十年」では、リアリズムとユートピアニズムの考察で、決定的に勘違いをしている部分があり、読み直すきっかけにもなりました。匿名の書き込みに対する信頼性について、疑問を感じることはありますが、古典についていえば違うようです。Amazonサイトに書き込みをしている人たちは、真面目に読んでいる方がほとんどでした。現役の大学・大学院生や、講師の方たちなのでしょうか? 感謝したくなる解説もありました。

 これからもゆっくりかもしれませんが、古典を読んでいきたいと思います。そして、みなさんにそれぞれの著書のポイントや良さをお伝えできたらと思っています。

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Posted by かく企画