転職フェアで「見えたもの」「学んだこと」
学歴も会社も頼れない時代。今回は、転職フェアに行った話です。
こんにちは、「かく企画」社長の藤田です。以前、社員の仮面ライターさんが「転職サイト登録のすゝめ」について書きました。
私自身も、会社に勤めていて転職を検討していたころ、何回か転職フェアに足を運んだことがあります。ホールや展示場などを会場に、求人募集をしたい企業がブースを設置。求職者がブースを回って企業説明を聞いたり面接を受けたりするイベントです。
転職に結び付くことはなかったのですが、さまざまな会社を回ることで、今まで気付かなかったことが見えたり、知らなかったことを学んだりすることができました。
今回は、転職フェアに行って見えたもの、学んだことについて書きたいと思います。
見えたもの・学んだこと① ー転職市場の厳しさー
まずは、現実の厳しさについて。給料や勤務時間、休みなど、当時勤めていた会社よりも良い条件の会社は少ない印象を受けました。
正直に言うと、給料や勤務時間だけを聞いて「働きたい」と思った企業は皆無でした。
転職フェアに出展している企業は、基本的には人材が不足している企業です。不足しているということは、給料が低かったり、激務だったりといった理由が多かれ少なかれあるのでしょう。
会場にはさまざまな業種が出展していて、仕事内容が面白そうだったり、社会の役に立っていると感じたりする企業は多くありました。それでも労働条件を聞くと、後ずさりをしてしまいました。
当時勤めていた会社は、地方の中ではそれなりの年収をいただける企業でしたが、普段それを実感することはあまりありませんでした。就職フェアで転職市場の厳しさに触れ、自分の待遇は恵まれている、ありがたいということを感じました。
とはいえ、結局退職することになったのですが…。給料の良し悪しだけが、会社の値打ちを測るものではありませんからね。
見えたもの・学んだこと② ー人事担当者の向こうにある会社の姿ー
ブースには、それぞれの会社の人事担当者がいて、会社の概要や仕事の内容、仕事に対する思いなどについて説明してくれます。
転職フェアでは、企業によってさまざまな人事担当者がいました。分かりやすく話す人、熱く思いを語る人、そして座っているだけのいい加減な人。
私が訪ねたある企業のブースは、50歳代の中年男性が2人座っていました。この2人は、特に来場者を呼び込むこともなく、終始ヘラヘラとくっちゃべっていました。
それでも仕事内容に興味があったので説明をお願いしたところ、「本当にウチなんかに来るの」と半笑いで応対されました。それ以後は推して知るべしで、仕事の内容などを質問しても、いい加減な回答に終始していました。
担当者も担当者ですが、こんな人間を派遣している企業もいい加減な会社なのだろうと思います。人事担当者は会社の顔。その顔の向こうに、会社の姿を見たような気がしました。
話はそれますが、以前ライターの仕事で、ある見本市を取材することがありました。ビジネスパーソンだけでなく、就職を目指す高校生も訪れるようなイベントだったのですが、ここで取材したある学校関係者の言葉がとても印象的で、共感が持てましたので引用したいと思います。
「高校生ってね、会社の担当者と話をすることで、その企業の雰囲気を鋭く感じ取っているんですよ。ブースでのプレゼンの仕方、声の掛け方で、この会社は元気があるとか、この会社は危ないとかが一発で分かるようです。我々が思っているより、真実を見破っていますよ」
見えたもの・学んだこと③ ー異業種の動向、商売の仕組みー
自分が知らない異業種の業界や、商売の仕組みを知ることができるのも転職フェアの特徴です。
普通に会社に勤めている限りでは、基本的に自分に関係する業界動向しか知ることがありません。特に私が勤めていた新聞業界では、記事を書く記者職と、広告・販売などの営業職の交流が少なかったため、お互いの仕事について全く知らないこともよくありました。
転職フェアを歩いていると、私が全く知らないさまざまな職種に出会うことができました。行くたびに「ほぉ～、こんな仕事があるのか」と感心したものでした。
まとめ
今回は、いつも以上に思ったことを率直に書きましたので、不愉快だとか上から目線だとか思われたかもしれません。ご容赦いただければと思います。
本気で転職を目指すのであれば、転職フェアよりも仮面ライターさんが言っていたようにエージェントの力を借りるほうが効果的だと思います。私自身は転職フェアに何回か足を運びましたが、転職につながることはありませんでした。
それでも、転職フェアへの参加はいろんな意味で社会勉強となり、決して無駄だったとは思いません。興味と時間がある人は、一度足を運んではいかがでしょうか。