営業をしないフリーライターは良いライターか
フリーライターは、いつも必ず仕事にありつけるとは限りません。新聞記者や企業に雇われているライターと違い、仕事がなくなれば自分で見つける必要があります。
こんにちは、社長の藤田です。2021年に19年3カ月勤めた新聞社を退職し、フリーランスのライターとして活動しています。
2年前、フリーライターを始めたばかりの頃は仕事がなく、クラウドソーシングサービスで探したり、ライターを募集しているウェブメディアなどに自分を売り込んだりしていました。いわゆる「営業」を掛けていたのです。
さて、フリーライターに関して、「営業をしないライターこそ良いライター」としばしば言われます。「営業をしなくても、安定して仕事が舞い込んで来る状況をつくるべき。そうすれば、営業は不要」という主張です。
果たして、仕事が舞い込んで来るライターは本当に営業しなくてもよいのでしょうか。実体験を踏まえて考察し、私なりの意見を述べたいと思います。
「フリーライター 営業しない」でググってみた
実際に「フリーライター 営業しない」でグーグル検索したところ、次のようなページタイトルが表示されました(ただしページの特定を避けるため、一部文言を変えてあります)。
「ほったらかし営業」で新規依頼が舞い込む
仕事が絶えないフリーランスは“営業しない”
営業せずに仕事を獲得し続けるブログ術
「営業しない」ことが営業スタイル
最後の「営業しないことが営業スタイル」は、よく意味の分からない、ほとんど禅問答のようなフレーズですが…。
いずれにせよ、各ページ共通して主張しているのは、一定の仕事を獲得して、その後はライティング業務に邁進して収入を得ることです。
仕事があるライターも営業はするべき
確かに、安定した仕事を継続的に得ることは、フリーライターにとって理想的です。安定した収入を得ることができ、特定のクライアントと仕事を継続することで、信頼やエンゲージメントも生まれます。コンスタントに仕事をこなし、クライアントには喜ばれ、一定のお金も入ってくる。言うことはありませんね。
ただ、結論から言いますと、仕事があるライターでも「営業は続けるべき」と考えます。
その理由として、以下の5点を挙げたいと思います。
やりがいのある仕事を見つけるため
私たちは何のためにフリーライターになったのでしょうか。「お金のため」であると同時に「好きな仕事をするため」という要素も大きいはずです。
フリーランスが会社員と比べ優位である点は「好きな仕事を選り好みできること」。自分がこれぞと思う仕事を追求し続けるというのが醍醐味の一つではないでしょうか。
フリーランスという立場を最大限に活用し、手元に仕事があったとしてもやりたいことを探し続け、これぞという題材やメディアを見つけたら「記事が書きたい」と営業をかける。このようなモチベーションを持ち続けることで、やりがいを感じることができると考えます。
クライアントのため
また、好きな仕事を選ぶことで、クライアントに対して、よりクオリティーの高い記事を納めることができます。「好きこそものの上手なれ」ということわざの通りです。
嫌いな仕事をいやいや続けていたところで、良い成果物ができるとは思えません。そうなると、お金を出して仕事を外注しているクライアントにとっても不利益です。
仕事の棚卸を行うため
棚卸とは、倉庫にある商品や原材料の種類や数を定期的に確認する作業のことです。在庫と同様、フリーライターの仕事に関しても、労力に対し収益が見合っているか、自分のやりたいことに近い仕事かを、定期的に見直すことが必要です。
仕事の棚卸をしながら新規営業を行うことで、十分な対価が得られる仕事、本当にやりたい仕事を見つけることができます。
収益が上がる可能性があるため
仕事を探し続けることで、今よりも条件の良い仕事を見つけられます。文字単価の高い案件や、シリーズものの原稿、社会的な影響力の大きいメディアへの掲載、書籍の編集(いわゆるゴーストライターを含む)といった規模の大きな仕事(当然原稿料が高い)に当たる可能性も。医療、法律、マネーなどの知識を持っている人ならば、その専門性を買って報酬を上乗せしてくれることもあります。
スキルアップ、ステップアップできる可能性があるため
営業で仕事を探し、難しい仕事や今まで経験したことのないジャンルに挑戦することで、新たなスキルを手にすることができます。
営業の方法
フリーライターの主な営業の方法は以下の通りです。具体的な営業の手順は、別の機会にあらためて紹介したいと思います。
クラウドソーシングサービス
「ランサーズ」や「クラウドワークス」といった、仕事を依頼する発注者と、仕事を受注するフリーランスをマッチングさせるサービスです。ライターの仕事はもちろん、デザイン、プログラミングなど、たくさんの案件が募集されており、その中から自分に合った発注を見つけます。
仕事ぶりが認められれば、継続的に仕事が依頼されることもあり、フリーランスになって間もない人たちにとっては、ステップアップのきっかけにもなりえます。
副業やフリーランスを始める方は、営業ツールの一つとして、まず登録しておくことをお勧めします。
直接申し込む
紙媒体やウェブメディアでは、記事を執筆する外部ライターを募集している場合があります。表だって募集していなくても、自分が書きたい企画をメディア側に提案し、それが採用されて契約につながる場合もあります。
人づて
友人・知人、会社の元同僚、行きずりの人などを通じて仕事を探すパターンです。クライアントに知り合いを紹介してもらい、新たなビジネスパートナーを作る場合もあります。
SNS、HP、ブログ
自分が開設しているツイッターやインスタグラム、ブログなどで仕事を募るライターも多いです。会社さながらのホームページを開設している人もおられます。
理想に対して、現実は…
私自身、今はおかげさまで、複数の会社から継続してお仕事をいただいています。クライアント様あるからこそ、今の自分があります。この場を借りて厚く御礼申し上げます。時期によっては自分のキャパシティを超えるオファーが集まり、泣く泣く案件をお断りすることもあったりして、申し訳なく思っています。
さて、「フリーライターは仕事があっても、営業を続けるのが理想」と考える私ですが、実際のところ、十分な営業はできていません。とりあえず目の前の仕事に懸命に取り組み、ブログの情報発信を優先しながら、忙しさにかまけて、新たな案件との出会いや未知の仕事への挑戦をさぼっている状態です。
やはり人間、易きに流れるもの。ひょっとしたら、本当に自分に合っている仕事や、新たな可能性の芽を、みすみす逃しているかもしれません。
まとめ
この文章のまとめです。
・フリーライターは手持ちの仕事があっても、営業は続けるべき。
・その理由
①やりがいのある仕事を見つけられる
②仕事の棚卸ができる
③収益が上がる可能性がある
④スキルアップ、ステップアップできる可能性がある
この文章を書いたのを機に、私も怠けることなく、新たな出会いや可能性を模索していきたいと思います。
取材・ライティングの仕事 承ります
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