ミック・ジャガーも永ちゃんも  走るのはどうしてか

2023年3月30日

 学歴も会社も頼れない時代。溺れそうになりながら、もがき続けている「かく企画」社員の仮面ライターです。

 フリーランスになった後も大切なのは心身の健康。体がダメだったら楽しい仕事も難しくなります。

 今日は、ロックスターの地道な活動から自分の明日を考えたいと思います。

体が資本であるロックのヴォーカル

 ロック・ミュージシャンには、短命だったり、人気絶頂の中で亡くなった人たちが少なからずいます。暗殺された、ジョン・レノン。病気でなくなった、フレディ・マーキュリー。ジミヘン。ジョン・ボーナム。シド・ビシャス……。

 一方で、還暦を過ぎてもファンの心を鷲掴みにするスーパースターの姿には感動します。ミック・ジャガーも矢沢永吉も、ある年齢を過ぎてから、ストイックに体を鍛えているという話を聞きます。

 酒や煙草、ドラッグなど、60年代、70年代のロック・ミュージシャンの「かっこよさ」を引き立てていたアイテムはいつからか消え、アスリートかと思うような日常を過ごして、体を維持することが、ロックのスピリットになってきたのかもしれません。

 知り合いのロックミュージシャンも毎朝走り込んで、体を作っています。

 「どうしてそんなきれいな体を維持できるんですか?」と、一度聞いたことがあります。控室で着替えている姿を見て感嘆したからです。その時ははっきりした答えを聞けませんでした。別の機会にもう一度質問すると秘訣を教えてくれました。

 ―― 2、3日、食べなければ体はもとに戻ります ――

自分に張り付いた悪癖

 さすがロック・スター。私は絶食をしようとしましたが、18時間が限度でした。

 振り返ってみれば、私の場合、30代から体重が増えました。記者だった頃は、夜の遅い時間に酒を飲み、食事をするのがほぼ毎日の日課みたいなものでした。

 取材先と飲酒をするのも仕事のうち。警察への取材では、警察官と一緒に酒を飲めるようになることが、深い関係を作ったという証。警察署長の官舎に通って、連日上がらせてもらっていると、同僚が褒めるという仕事です。(食い込んだ後、どうするかが最も大切なのですが)

 しかし、記者でなくなっても、飲酒と遅い時間の食事は、生活習慣のように自分にベッタリと張りつていました。

 30代中頃は、泳いでいました。週に1、2回ほど、2キロ泳いだ日もありました。転勤や生活の変化でプールから足が遠のき、40代前半になると、取材先と懇意になる目的でゴルフを始めました。

 ただ、私の運動はムラがありました。やる時は半年くらいやるのですが、何かのきっかけでブランクが出来てしまうのです。

体重が落ちなくなってきた

 40代半ばになると、体重が簡単には落ちなくなってきました。コロナ禍で外出が減ったことはあると思いますが、確実に新陳代謝の衰えは実感するようになりました。

 そんな時、とあるYouTube動画が耳に止まりました。

 それは、樺沢紫苑さんという精神科医の動画です。樺沢さんは、仕事や勉強での成長を効果的なものにする方法を解説した「アウトプット大全」(サンクチュアリ出版)などの著書を書かれています。

 YouTubeで、「樺沢 睡眠 運動 朝散歩」で検索して見て下さい。樺沢さんは、「睡眠・運動・朝散歩」について、数多くの動画を提供し、その効果や科学的な根拠をわかりやすく説明しています。そのメカニズムについての解説は、ご本人の著書や動画を見たほうが正確で情報量がたくさんあるので、割愛させていただきます。ここでお伝えしたいのは、実際にやってみた効果です。

朝散歩

 2022年の春の終わり頃から夏頃まで、朝の散歩を意識的に実行しました。「睡眠・運動・朝散歩」の中で、最初に樺沢さんの解説動画を見たということ。そして、私には最も気軽に継続できそうだったからです。

 最初の1ヶ月くらいは、起床後30分以内に小走りに散歩をしていました。動画を見るとわかるのですが、樺沢さんは、「絶対にこうしなければならない」という押し付けはしていません。説明を聞きながらこれまでに、自分向きにカスタマイズしていきました。

 朝散歩は、確かに午前中の頭の働きが良くなりました。効果は3週間くらいで感じられました。

運動

 運動は不定期にやっていたのですが、夏の終わりから樺沢流にしてみました。ただ、怪我や病気で実行できない時期がありましたが、出来る範囲で実行することを心がけました。運動については、秋の終わりから軌道に乗ってきた感じです。運動は睡眠に大きく影響することが実感できています。脳のパフォーマンス向上については、おそらく出ているのであるのでしょうが、思ったように運動がまだ出来ていないので継続観察です。



睡眠

 睡眠は一番難しい課題です。私の場合、睡眠に大きく影響する飲酒のコントロールが必要だからです。飲酒をしなかった翌日は、質の良い睡眠を取ることが出来て、仕事への集中力が向上します。私の場合、はっきりとしています。飲酒をしなければベストなのでしょうが、酒好きには難題です。

 一番良くない飲み方の一つが、就寝間近です。いまだに飲酒後すぐに寝る日が多く、少しずつ変えていこうと考えています。

 休肝日を理想的に作ることは、最初の1、2ヶ月間の課題でした。これまでは、ほぼ毎日飲んでいました。最初の頃は、なんて自分はだめなんだろう、と反省するばかり。アルコール依存症かなとも思いました。

 ところが、樺沢さんの「まずは今日だけでもやってみよう」という言葉が効きました。完璧を捨て、できる限りで休肝日を設けるように心がけたところ、ほぼ毎日という飲み方ではなくなってきました。

 3、4日連続で、しかも、いつもより多く飲む日がありました。連日で飲んだ後は、1日空けて、また2日間連続で飲むという傾向に気が付きました。アルコールは短期でみても、習慣性があるのではないでしょうか。

 飲酒頻度は、ゆっくりですが確実に自分の意思でコントロールできる日が増えています。酒量についてですが、1人で飲む機会が多く、以前から少なくなっていました。理想はもっと少ないほうが良いという認識はあります。

 睡眠の時間は、私の場合は8時間くらいで十分なようです。運動をしっかりした日は、10時間寝た日がありました。これは驚きでした。30代前半くらいまでは10時間以上寝ることが出来ました。40代になってからは、7時間か6時間半がほとんどでしたが、運動をしっかりするとよく寝られたのです。



自分の限界を知ることがグッド・スタートに

 睡眠時間を確保すると、稼働できる時間は減ります。ですが、頭を使う仕事をしている場合、脳の活動が低下するほうが時間の無駄であることがわかりました。

 朝の30分の散歩、週2、3回のやや負荷がかかる運動。そして、8時間くらいの睡眠。これらの時間を仕事に向ければ、収益につながると、これまでは思っていました。でも、収益を上げたいのであれば、これらの時間は絶対に必要なものです。例えるならば、食事や排泄と同じ様なことです。

 特に私の場合、小説を書きます。そのために、勤めている会社での仕事は最短で終わらせたいと思っています。村上春樹さんも、小説を本気で書くと決めて、煙草をやめ、酒量を減らしたといういことをエッセーで書いていた記憶があります。

 小説を書くのはとても地道な活動。天賦の才に恵まれ、輝いているスターや小説家も、地道な努力をしています。良い小説が書けるように、続けていこうと思っています。

自己管理

Posted by かく企画