鉄道動画を流すと仕事がはかどる謎 ―理由・選ぶポイント・お薦め映像を紹介―

2023年6月7日

 フリーランスやリモートワークなどにより自宅で仕事をしている人は、どのような音を聞きながら作業をしているでしょうか?

 テレビやラジオの音、好きな音楽。無音でないと集中できないという人もいるでしょう。最近ではYouTubeなどの動画投稿サイトで作業用BGMを流している人もいるかと思います。

 こんにちは、社長の藤田です。とある新聞社を退職し、2021年からフリーライターとして、自宅の台所で原稿を書いています。

 YouTubeにはジャズ、イージーリスニングなど、さまざまな作業用BGMや環境映像が投稿されています。その中でも仕事がはかどる動画としてお薦めしたいのが、「鉄道」。走行中の前面展望や行き交う列車の映像です。

 私は自宅で仕事をする際、記者時代の名残からニュースや情報番組を小さな音で流しっぱなしにしています。しかし、いまいち集中できないと感じるときは、YouTubeにアップされた鉄道の動画をテレビ画面に流します。そうすると、不思議と仕事がはかどるのです。

 今回は、鉄道動画で作業に集中できる理由と、動画を選ぶポイント、さらにおすすめの映像を紹介したいと思います。

鉄道動画で集中できる理由

 鉄道動画はなぜ集中力がアップするのでしょうか。「音」「映像」の二つの面か考えてみたいと思います。

心地よく うるさすぎない音

 列車の音はうるさすぎず、どことなく心地よい感じがします。

 それもそのはずで、列車のモーター音や線路のガタゴト音は、集中力を高めて神経をリラックスさせる効果がある「1/fゆらぎ」を示すと言われています。

 実際、大手私鉄の名古屋電鉄は、電車の音の1/fに着目し、走行音やアナウンス、踏切の音などをサンプリングしたリラックスミュージックを制作。同社によると、数ある名鉄の路線の中でも、愛知県西部を走る尾西線(弥富―玉ノ井間)で1/fゆらぎがよく認められるとのことです。

単調なのに旅情に浸れる映像

 列車全面の風景を延々映し出したり、行き交う列車を定点カメラで捉えたりしている鉄道映像は単調に感じます。しかしそれゆえに、気を散らさずに作業を進めることができるのです。

 単調とはいえ、海や山、四季折々の自然など、適度に変化があるのも魅力。ふとタイピングの手を止めて画面を見たときに車窓の景色が映っていると、部屋でいながら旅情に浸ることができます。

鉄道動画を選ぶポイント4選

 ただ、全ての鉄道動画で集中力がアップするとは限りません。私なりの動画を選ぶポイントをお教えしたいと思います。

停車駅が少ない

 前面展望の場合、各駅停車よりも停まる駅が少ない特急列車などがおすすめです。例えば山手線など、駅間隔が短い大都市の通勤路線では、「次は大崎、大崎」といったアナウンスや、ホームの発車メロディーが頻繁に流れ、かえって集中力が削がれる結果となります。

トンネルが少ない

 あまりトンネルが多い動画だと、せっかくの景色が見えません。とはいえ、ずっと画面を見ている訳ではないので、音だけが聞きたい人はトンネルだらけの路線でもよいかと思います。

景色がきれい

 作業の手を休め、ふと映像を見たときの幸福感を得たい方は、風光明媚な路緯を選びましょう。海のそばを走る路線、山間部の雪景色などがお薦めです。

線路が高規格

 線路が高規格で、列車が高速で走行できる路線のほうが、耳障りなノイズが少なくなります。

 かつて、あるローカル線の気動車からの風景を流しながら作業をしたことがあるのですが、山あいの路線でカーブが多いため、線路と車輪の摩擦音がキーキーうるさく全然集中できませんでした。

お薦め鉄道動画2選

 最後に、私が独断と偏見で選んだお薦め鉄道動画を、車窓の前面展望、定点カメラそれぞれ1点ずつ紹介します。

【車窓】特急「やくも」の前面展望

 やくもは、岡山―出雲市(島根県)を結ぶJR西日本の特急列車です。岡山、倉敷市を通り、中国山地を抜け、米子、松江などの山陰の都市を結びます。

 走行路線の大部分が山間部なので、景色が単調ですが美しく、作業用動画にぴったり。YouTubeには、新緑まぶしい春の風景や雪景色など、何種類かの動画があるので、気分に応じて選ぶことができます。

 走行時間がおよそ3時間というのもライティングの作業用としてちょうどよいと思います。岡山を出発し、出雲市に着いた頃には、仕事をこなしたという達成感にあふれているはずです。

【定点カメラ】新宿駅付近の風景

 JR新宿駅の北側の線路を延々撮影しているライブカメラです。ちょうど新宿大ガード西側の思い出横丁あたりから、東口のルミネ方向を映すように設置してあります。

 山手線をはじめ、中央線快速、中央・総武緩行線、埼京線・湘南新宿ラインなどが行き交うほか、中央線特急の「あずさ」や「かいじ」と思われる車両もたまに走ります。特に手前側の線路をうぐいす色や黄色の電車が走ると、ガタンゴトンと小気味よい音が流れ、リラックスした気分になります。

 定点カメラなので風景は変わりませんが、複数の列車が一度に発車する光景は圧巻です。

まとめ

 新型コロナウイルスの感染拡大以降、フリーランスに限らず、家で仕事をする人はすっかり増えました。音に限らず、できるだけ効率的に仕事ができるような方法を、これからも考えていきたいと思います。

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Posted by かく企画