【初心者向け】新聞とは何か③ ー社会面、政治面……:何がどこに載っているかー

新聞記者

 こんにちは、社長の藤田です。現在、フリーランスのライターとして活動していますが、かつてはとある地方新聞社の記者として仕事をしていました。

 「新聞記者として…」などと、新聞はみな読んでいて当然という前提で自己紹介していますが、このブログの読者の中には、紙の新聞を手にしたことがないという若い方も多くいらっしゃると思います。

 過去2回、このブログで「新聞とは何か」について説明。「超初心者向け」と銘打ち、初回は新聞の材質や大きさ、価格や購読方法について、2回目は新聞の種類について取り上げました。

https://kaku-kikaku.com/what_is_newspaper1/

https://kaku-kikaku.com/what_is_newspaper2/

 今回は、「超」を外した「初心者向け」で。新聞(一般紙)の中身を探っていきます。何がどこに掲載されているかといった紙面構成についてご理解いただければ幸いです。

新聞の種類

 前回のおさらいです。新聞は、発行エリア、掲載するニュース、配達時間帯によりさまざまな分類ができます。

 掲載するニュースの分類では、以下のように分けられます。

・一般紙…政治、経済、事件事故、スポーツ、暮らしなど、さまざまな内容の話題を掲載

・スポーツ紙…スポーツについて重点的に報道

・専門紙…工業、農業、ビジネスなど、専門的な話題に特化

・子ども新聞…小学生、中学生向けに易しく書かれた新聞

 今回は、発行部数が多く、一番目にすることの多い一般紙の中身について取り上げます。

何が掲載されているか

 新聞には、日々のニュースが文章で掲載されています。ニュースについて書いた文章のことを「記事」と呼びます。

 記事には、ニュースの内容や要点を短い文章やフレーズにまとめ、目立つように表示しています。これを「見出し」と言います。

新聞の文字数は

 新聞1日分の文字数は、ざっと新書1冊分と言われています。膨大な量ですね。その文字の多さゆえに、読むのを敬遠する人は多いのではないでしょうか。

 よほど時間のある人や、仕事で読む必要がある人以外は、その日の新聞を隅から隅まで全部読むのは無理です。しかし、見出しや文章を飛ばし読みすることで、効率的にニュースの内容を頭に入れることができます。

 この読み方についてはまた別の機会で紹介します。

写真、挿し絵、図表、動画も

 文章ばかりという訳ではなく、写真や挿絵、図表がある場合もあります。4こま漫画が掲載されていることが多いです。

 紙でできているので動画はありませんが、新聞によっては二次元バーコード(いわゆるQRコードのこと)が印刷されており、スマートフォンなどでかざすと写真や動画を見ることができるものもあります。

漫画、小説、動向コーナーも

 ニュース以外にも、先ほど触れた4こま漫画をはじめ、連載小説、将棋や囲碁の結果などが載っています。

 また多くの新聞には、読者からの寄せられた文章や絵手紙、イラストなどを載せる投稿のコーナーがあります。短歌、俳句、川柳、写真などの作品を募り、優秀作品を掲載することもあります。

 また地方紙では、赤ちゃんの写真を載せるページもあったりします

広告は記事と同じくらい大切

 その他にも、広告が載せられています。面(ページ)の下3分の1から4分の1のスペースで載せられることが多いですが、中には全面を使った広告もあります。

 商品や企業の紹介のほか、「私たちはこういう考えを持っている」といった意見広告もあったりします。

紙面構成

 新聞は、記事のジャンルによって掲載面が決まっているのが大きな特徴です。政治のニュースは内政面、企業やビジネスについては経済面、といった具合です。自分の興味があるジャンルのニュースについて、効率的に収集することができます。

 またジャンルに限らず、大きなニュースは1面に掲載されます。最も重要とされる記事は1面の右上にあります。これをトップ記事と言います

 それでは、掲載面ごとに何が書かれているかを紹介していきます。

政治面

 内閣、国会など政治に関するニュース。1面をめくって次の面(2面、3面)にあることが多いです。新聞によっては「総合面」と呼ぶ場合もあるほか、都道府県の政治ニュースと区別するため「内政面」「国内面」などと名付けている地方紙もあります。

 新聞社の公式な主張である「社説」もここに掲載されています。

国際面

 海外での出来事について掲載。内政面の近くにあることが多いです。ウクライナ情勢などはここに掲載されます。

経済面

 経済や企業のニュース。各企業の株価を掲載した「株式面」が隣にあることも。

 また地方紙によっては、「地方経済面」などと銘打ち、地場経済やその土地の企業に関する記事を集中的に載せていることがあります。

文化面

 文化、芸術などのニュースです。絵画、書道、陶芸、写真、エンタメ、落語、歌舞伎、文楽……。

 たまに芸能人へのインタビュー記事もあったりします。

 また、文化面と別に「くらし面」(くらしの知恵や料理、人生相談など)、「教育面」(小中高大の教育について)、「宗教面」(宗教について)などがある新聞もあります。

運動面

 スポーツ全般です。野球だと、日本のプロ野球、米大リーグ、高校野球、社会人野球などを掲載。

 他にもサッカー、バレー、ラグビー、大相撲、ボクシング、競泳、スキー、カーリング……。

社会面

 事件や事故、裁判、社会問題など、幅広いジャンルのニュースを掲載。身近に感じる話題が多いのが特徴で、新聞を読み始める方は、ぜひこの面から読むことをおすすめします。

 一番終わりの面から数えて1~3面目にあることが多いです。社会面の記事のことを「三面記事」と呼ぶことがありますが、かつて新聞が4面しかなかった時代に社会記事が3面に載ることが多かったためだと言われています。

地方面

 その地方に関するニュースや話題を掲載。地方紙に限らず、全国紙にもあります。

ラテ面

 テレビの番組表。一番おしまいの面に掲載されることが多いです。

 「ラテ」とは、コーヒー牛乳のことではなく、「ラジオ」「テレビ」の頭文字のこと。昔はラジオの番組表のほうがテレビよりも大きかった名残です。

まとめ

 今回は、新聞の紙面構成についての紹介でした

 ちなみに紙面の上側には、この面はどのようなニュースが掲載されているか示されている場合がほとんどです。下の写真の場合「社会」と書いているので、この面は社会面ということになります。

 今回紹介した以外にも、紙面によってさまざまな「面」があります。例えば、経済の専門紙である日本経済新聞は「金融」「マーケット」などと細分されています。日本農業新聞は「営農」「市況」といった面があります。

 一般の方が新聞を読む場合、まずは1面や政治面、社会面を読むのがお勧め。これについては、以下のリンクの文章で説明しています。

新聞記者

Posted by かく企画