新聞とは何か④ ー新聞の読み方:パラパラ読みのすすめー

学校の先生
学校の先生

時事問題対策として、新聞を読むといいよ

会社の上司
会社の上司

君も社会人なのだから、新聞くらい読まないと

 このように言われた経験はありませんでしょうか。

 しかしそんなことを言われても、新聞を読む習慣のない人にとっては、一体どのようにして読めばいいのか分からないと思います。

 こんにちは、社長の藤田です。現在、フリーランスのライターとして活動していますが、かつてはとある地方新聞社の記者として仕事をしていました。

 過去何回かにわたり、このブログで「新聞とは何か」について説明。新聞の材質、大きさといった超基本事項から、新聞の種類、購読方法、紙面構成などを紹介してきました。

 今回は第4弾として、新聞の読み方について、新聞社で記者や営業を務めてきた私なりに説明していきたいと思います。

 今回の読み方は、新聞を読む習慣のない初心者向け。小学生、中学生、高校生…と学年別に解説してありますが、社会人の方々にも参考になると思います。

 すでに読む習慣がついてあるという方は、 以前仮面ライターさんが書いた文章が参考になりますので、こちらをご覧ください。中・上級者向けです。

おさらい+ご参考

以下の記事もご参照ください

最初は「パラパラ読み」で十分

 読まない人にとって、新聞というものは非常にとっつきにくいものです。「日本経済新聞」も、ニーチェの「ツァラトゥストラはかく語りき」も、どちらも同じくらい敷居が高く感じます。

 新聞を読むこと慣れていない方は、最初のうちはパラパラめくり、興味のある記事を眺めるだけでよいと思います。

 大切なのは、読む習慣を付けること。この「パラパラ」を毎日続けることで、そのうち記事を読むようになります。そうなれば、みるみる情報が身に付いていきます。

 「ツァラトゥストラはかく語りき」はパラパラめくっているだけでは何も理解できませんが、新聞なら「パラパラ読み」で十分です。

パラパラ読みのコツ

 パラパラ読みのコツは、見出しとリードを読むことです。

見出し

 記事には、ニュースの内容や要点を短い文章やフレーズにまとめ、目立つように表示している「タイトル」のような部分があり、これを「見出し」と言います。これを読むと、何についてのニュースなのかを理解することができます。

リード

 記事の1段落目のことを「リード」と言います。きちんとした新聞記事ならば、この1段落にニュースのエッセンスが凝縮されており、この部分を読むだけで「誰がどうした」「何がどうした」などが分かるようになっています。

 見出しとリードだけに注目すれば、たくさんのニュースについて手軽に触れることができるのです。

年代ごとの読み方

 ここからは、年代ごとの読み方について考えていきたいと思います。

小学生は4こま漫画からスタート

 小学校低学年のうちは、4こま漫画を読むくらいでよいと思います。所要時間は1~2分。もちろん、興味のある記事があれば読んでみましょう。

 小学校高学年は、4こま漫画を読んだ上で、面白そうな記事の見出しを読めばよいと思います。

子ども新聞もお勧め!

 朝日小学生新聞、毎日小学生新聞、読売KODOMO新聞などの子ども新聞を読むのもお勧めです。

 地方紙の中には、秋田魁新報、京都新聞、岡山県の山陽新聞、沖縄タイムスなどのように、週1回別刷り(別冊)で子ども新聞が無料でついてくる地方紙もあります。

中学生は興味のある見出しを探そう

 興味のある記事を探して、見出しを読んでみてはいかがでしょうか。政治や経済のニュースは難しいと思うので、殺人・強盗などの事件、地方のニュース、スポーツの結果などがお勧めです。もちろん政治経済でもOK。

 そして気になる記事があったら本文を読んでみましょう。

高校生は1面・社会面を中心に

 社会の窓ならぬ、社会への窓を開こうとする年代です。1面、社会面の見出しとリードを読むことで、世の中の出来事を把握することが求められます。

 余力があれば政治面の見出しもパラパラ見てみては。特に大学の文系学部(文、法、経済、経営など)を目指す人には将来きっと役に立つと思います。

 新聞を開いて、記事について細かい部分まで理解する必要は無く、何が話題になっているかを把握できれば十分です。

 さらに興味が湧いた、調べてみたいということがあれば、インターネットやスマートフォンで調べてみてはいかがでしょうか。

小論文対策では、読んで考える習慣を

 1年余分に受験生をした身として、大学入試対策についても触れておきます。

 大学入試において、新聞が一番役に立つのは、やはり小論文の試験だと思います。

 小論文では、提示されたトピックに対して賛成、反対をはっきりさせた上で、どうして賛成(反対)なのかを論理的に文章で説明する力が求められます。単なる感想だけ述べたものは「作文」であって、小論文ではありません。

 入試で小論文が課される予定の受験生は、新聞を開いたときに一番興味が持てるニュースを選び、自分は賛成か反対か、その理由を頭で考える習慣を付ければ助けになると思います。

 また一般入試でも、特に国語の試験で新聞のコラムが出ると言われています。朝日新聞なら「天声人語」、読売新聞なら「編集手帳」、産経新聞なら「産経抄」などです。

 受験指導者や新聞社の関係者の中には、このコラムを読めば力が付くという人がいますが、私は興味のある受験生に限って読めばよいと思います。確かに力は付きますが、時間が限られた受験勉強としては参考書や問題集をこなす方が効率的です。

大学生は見出し、リードをくまなく

 社会面、1面、政治面の見出しとリードを読みましょう。余力があれば経済面も読んでほしいところ。銀行、商社などを目指す人は必ず読む必要があるかと思います。恥ずかしい話ですが、私は大学時代、経済面はちんぷんかんぷんで読み飛ばしていました。

 専門分野、進みたい分野の記事は、終わりまで読む必要があると思います。スクラップをするのも効果的です。

社会人の読み方

 最後に、社会人の読み方です。

 基本的には、大学生と同じように見出しとリードを中心に読むところから始めればよろしいかと思います。社会面、1面、政治面に加え、経済面も読んでいただきたいです。

 「社会人」と一言で言ってもいろいろですので、一口でこう読めば良いと言うのはなかなか難しいです。地方公務員や警察官などは地方面に目を通す必要があるでしょう。

 野○證券のように、日本経済新聞を隅から隅まで読まないと会社で詰められるといったケースを聞いたこともあります。またスナックのママさんなど接客業の方は、お客さんとの話題づくりのため新聞を読むことから一日が始まることがあるそうです。

まとめ

 新聞の読み方についてのまとめです。

・小学生…4こま漫画、子ども新聞などから

・中学生…興味のある記事を探して、見出しを読もう

・高校生…1面、社会面を中心に見出しとリードを。小論文対策として考える習慣を

・大学生…社会面、1面、政治面の見出しとリードは必須。できれば経済面も。専門分野の記事は必ず読む。

・社会人…いろいろ。

 今後もこのブログを通じて情報を発信していきたいと思います。

新聞記者

Posted by かく企画