数学嫌いの超文系人間 ー「簿記3級」合格体験談ー

2023年3月30日

 こんにちは、社長の藤田です。数学を大の苦手とする典型的な文系人間の私ですが、2021年12月に日商簿記3級の資格を取得。翌年6月に2級を取得しました。

 前に勤めていた新聞社で、記者から営業の仕事に移った際に勉強を始めたものの、途中挫折。退職後、フリーランスで働くにあたり確定申告で必要になったことと、万一再就職する際に何か資格を持っていたほうがよいと考えたことから、勉強を再開しました。

 簿記を勉強したことで、個人事業主である自分の経営状態をよく把握できていると実感していますし、簿記知識を買われ、20万円規模のライティング案件の受注につながったこともあります。

 今回は、2021年夏から始めた簿記3級の学習についての体験談をお話ししたいと思います。

日商簿記3級の試験とは

 日商簿記の公式サイトによると、簿記3級は以下のような資格試験です。

業種・職種にかかわらずビジネスパーソンが身に付けておくべき「必須の基本知識」として、多くの企業から評価される資格。

基本的な商業簿記を修得し、小規模企業における企業活動や会計実務を踏まえ、経理関連書類の適切な処理を行うために求められるレベル。

(出典:商工会議所の検定試験)

 試験は三つの大問からなり、制限時間は60分。知識もさることながら、解くスピードも問われます。70%以上の正解率で合格です。合格率は大体40~50%ですが、まれに20%台という「ハズレの回」もあったりします。

 全国各地の試験会場で2月、6月、11月の年3回実施。また最近では指定の会場へ出向いてオンラインで試験を受ける「ネット試験」が通年で行われています。

簿記3級の学習で使った教材

 私が使ったのは、通信講座「クレアール 」です。3級に関してはこれ以外に参考書は買っていません。57単元、計約30時間の講義を動画で聴講。教科書、レジュメ、問題集に加え、答案練習・模試を計4回受けることができます。価格は1万2620円でしたが、割引キャンペーンなどの有無で多少増減するようです。

 この教材の特徴は、分かりやすいの一言に尽きます。全講義の6分の1に当たる9単元を使って簿記の考え方や特徴を教えてくれるので、初学者もとっつきやすいと思います。他の単元でも「なぜこうなるのか」などを丁寧に教えてくれるので、丸暗記でない勉強をすることができます。

 疑問点があれば、メール等で質問ができます。しかも回数は無制限。私も何回か利用しました。

 強いてデメリットを上げるとしたら、講義後半にある決算整理の部分が体系的でない点でしょうか。これについては、決算整理手続の手順をまとめた一覧表を自分で作成し、何度も見て覚えるようにしました。



学習のスケジュール

 学習スケジュールは、次の通りです。

タイムラインのタイトル
  • 7月下旬
    講義動画の視聴開始

    1日当たり1~2単元の講義を視聴

  • 8月下旬
    問題演習を開始

    クレアールの問題集を解く

  • 10/20
    答案練習を開始

    実践形式に慣れる

  • 11/3
    全講義動画の視聴を終了
  • 11/21
    試験当日
  • 12/6
    合格発表

 試験勉強は7月にスタート。11月に入るまでは、1日平均30分~1時間のペースで学習を進めました。

 序盤は講義動画を聴くのが中心で、講義の3分の1くらいを消化した8月あたりから、理解の確認を兼ねて問題集を使った演習を始めました。

 10月下旬より、実践形式の答案練習をスタートしました。簿記3級の試験は、60分で三つの大問を解く形式で、普通に解いていると時間が足りなくなってしまいます。試験本番を想定し、60分以内で問題を全て解く訓練を重ねました。

 実は、11月に入った時点で、問題集はまだ3分の1程度しか終わっていませんでした。しかし、こま切れに問題を解いていくより、答案練習をして慣れるほうが大切だと考え、もったいないですが問題集は放棄することにしました。

学習のポイント

 私が学習で意識したポイントは次の3点です。

勘定科目の要素を意識して勉強する

 簿記では「売上」「仕入」「現金」「借入金」などの勘定科目が登場します。この勘定科目は、資産、負債、純資産、収益、費用の五つの要素に分類することができます。

 「現金」「借入金」などはイメージが湧くと思いますが、「貸倒引当金」「仮払金」などが出てくると分からなくなってしまいがちです。(答え:どちらも資産)

 なので、勘定科目の下の部分に「(資)」「(費)」などと書き込み、どの要素なのかを意識するようにしました。これだけでも、大いに理解の助けになったと思います。

習うより慣れる

 学習のスケジュールでも触れましたが、試験1カ月前ごろから、実践形式の答案練習を重点的に行い、試験形式にとことん慣れるようにしました。

 できれば、試験当日と同じ時間帯に解くことをおすすめします。私は試験開始が午前9時でしたので、時間が許せば9時ちょうどから答案練習を行うようにしていました。これは、浪人生時代にセンター試験(現・大学入学共通テスト)の勉強で用いていた方式です。

 クレアールは3回の答案練習と1回の模擬試験がありますが、2~3回繰り返し解いて勘を磨くようにしました。間違った部分の解説を読み、その都度何がいけなかったのかを理解するよう心掛けました。

過去問はしない

 過去問は一切解きませんでした。というのも、2021年6月の試験より、出題形式が大幅に変更されたからです。かつて五つの大問を120分で解く形式でしたが、前述のとおり大問三つを60分で解く形式となりました。

 クレアールの教材にも過去問題集が付いておりましたが、ページすら開きませんでした。

 もし、模試などの実践形式のが解きたい場合は、市販の予想問題を買うのがよいと思います。私のおすすめは、解説が充実しているTAC出版の直前予想模試「あてる」(定価1500円)です。

試験当日

 試験当日について振り返ります。

 私は、ネット試験でなく、試験会場で一斉に行う「共通試験」を選びました。理由は「何となく」です。試験会場は若い人ばかりで、おっさんは自分だけなのではないかと思いましたが、そうでもありませんでした。確かに商業高校の生徒は多かったですが、社会人も普通に見かけました。作業着や事務服姿で、明らかに会社から試験を受けさせられている人もいました。

 解いてみての感触ですが、明らかに答案練習より出来は悪く、当落線という感じでした。

 結果は74点で、ぎりぎり合格でした。後で分かったのですが、この試験の合格率は27.1%。毎回合格率は大体40~50%くらいなので、明らかにハズレの回でした。

 ちなみに、合格発表と同じ日、弟夫婦に娘(私からだと姪っ子)が誕生。めでたさが重なり、忘れ得ぬ1日となりました。

まとめ

 概算ですが、簿記3級の勉強に費やした時間は約100時間でした。内訳は講義30時間、問題演習20時間、答案練習20時間、苦手克服20時間。主な資格予備校では、勉強時間の目安として100時間を提示しているところが多いので、平均的と言えるかもしれません。

 勉強を重ねるうち、簿記の考え方は自分に合っていると思うようになりました。そこで、さらに簿記2級への挑戦を決意。3級に引き続き、通信講座「クレアール 」に申し込みました。

 2級の学習記録については、また後日書きたいと思います。

資格取得

Posted by かく企画