【実例付き】フリーライターのお盆の労働事情

フリーランス

 こんにちは、社長の藤田です。2021年に新聞社を退職し、現在はフリーライターとして新聞、機関誌、ネットメディアなどを舞台に取材・執筆をしています。

 先祖をお迎えし、供養するお盆。正式名称を盂蘭盆会(うらぼんえ)と言い、日本人にとってはなじみの深い年中行事の一つです。一般的には新暦の8月13日から16日にまでを指し、この期間を中心に長期休暇とする国内企業も多くあります。

 一方で、金融機関や役所など、お盆休みも関係なく働く企業・団体もあり、中にはホテル・観光業のように書き入れ時としている業界が多いのも事実です。

 それでは、企業や団体に属さないフリーランスはどのように働いているのでしょうか?今回は、フリーライターである私の実例を交えながら労働事情を紹介したいと思います。

フリーランスをしているけれど、お盆に仕事がなくなって収入が途絶えないか不安

 特にお盆休みが当たり前だった企業からフリーランスに転身した人、またはしようとしている人の参考になればうれしいです。

結論 仕事が一時的に減ることはある

 企業などから仕事をもらって文章を書いているフリーライターの場合、クライアント企業がお盆休みを取るか否かで状況が決まってきます。

 もしクライアントがお盆休みになれば、案件は入ってこず、仕事は一時的に減ることとなります。

大手民間企業はお盆休みが長い

 特に民間企業のクライアントは、お盆休みの期間をきっちり取って全社休業するところが多いイメージです。特に大手となると休業期間も長くなります。私がお仕事を請け負っている企業の中で、長いところだと10連休というところもあります。

 「弊社は勝手ながら8月16日まで休業いたします」

 毎年お盆前になると、このようなメールがクライアントから送られてきます。

 休業期間中は仕事が入ってこないだけではなく、取材先やクライアントとの連絡も取りづらくなります。疑問点があれば休暇前に質問しておくか、お盆休み明けまで待つのがよいでしょう。

 たまに、相手のことを考えずに電話やメールをしてくる人もいるようですが、たまの休暇を邪魔しないような配慮が求められます。

公的機関、個人企業などは通常営業

 一方、お盆期間中でも普通に営業しているところもあります。

 都道府県庁や市町村役場、商工会議所や農協などの公的機関はお盆に関係なくカレンダー通りの営業です。

 また、ウェブメディアを運営する小さな会社や個人経営の編集プロダクションなどは、お盆に関係なく仕事をしているところが多い傾向にあります。

 ですので、これらの団体・企業からはお盆であっても仕事の依頼はやってきます。

 私もこの記事を書いている2023年の夏は、お盆まっただ中に取材をする予定です。仕事をくださる担当の方も気を遣われたようで、いつもならメール連絡で来る取材依頼がこの件に限って電話で「お盆なんですけど大丈夫ですか?」と恐縮している感じでした。私自身、予定はありませんでしたので、取材を快諾しました。

小説家などはその人次第

 言うまでもありませんが、小説家、ノンフィクション作家、ルポライター、フリージャーナリストなど、クライアントからの請負でなく記事を書いている人は、休みの設定はその人次第。よってお盆休みがあるかないかもその人次第です。

 ただ、取材先の企業がお盆休みだったり、取材対象者が帰省やレジャー行ったりすることも多く、取材にならないことが多いです。私は小説家や作家ではありませんが、企業に取材のアポを入れる際、多くの企業からお盆の日は避けてくださいと言われました。

フリーライター2年目 私の労働事情

 私自身は、お盆でも取材や執筆をしていることが多いです。妻がお盆休みのない仕事に就いていることと、新聞記者時代にお盆休みがなかったため、休む習慣がないのが理由です。

2021年(0年目) 開業に向けて準備

 私がフリーライターとして開業したのは2021年8月28日。それに先立つ8月10日、ハローワークで転職せずに独立する旨を報告しています。

 よってこの年のお盆は、ライターを募集しているメディアとの面談など、もっぱら開業に向けた準備を進めていました。

 とはいえ、手帳には予定のない空白の日が目立っています。特に忙しいことはなく、ゆっくり自分のペースで準備をしていました。

2022年(1年目) 普通に仕事をしていた

 フリーランス1年目の2022年のお盆。この年は普通に仕事をしていました。

 当時の手帳を見ると、8月12日にオンラインの取材を入れています。自営業者の方でしたので、開店しているが客が少ないお盆が取材に好都合だったのでしょう。

 またちょうどこの時期、締め切りがタイトな長物の執筆案件を抱えていました。取材がない日でも、毎日机に向かっていたと記憶しています。

 とはいえ仕事ずくめだったかと言えばそうでもなく、高校時代の旧友とコロナ禍以来の飲み会に参加したりもしています。

2023年(2年目) やはり普通に仕事をします

 フリーランス2年目、つまりこの文章を書いている2023年のお盆も通常業務です。

 お盆の4日間のうち、日曜日に当たる13日以外はすべて取材が入っています。ひょっとしたら普段より仕事をしているかもしれません。

 ちょうど比較的大がかりな取材が必要な案件をいただいていることもあり、お盆前後を見ても、プライベートの要件がある日以外は全て取材が入っています。

 それでも、楽しみな案件なのでまったく苦ではありません。仕事をくださるクライアントの皆さま、そして取材を受けて下さる企業や個人の皆さまには、ひとえに感謝です。

おまけ 新聞社のお盆休み事情

 最後に、かつて務めていた新聞社のお盆休み事情について触れたいと思います。

 私が務めていたのは地方新聞社でした。記者時代はお盆休みという概念がなく、いつも通り働いていました。取材先である警察や市町村役場などの行政機関も通常通り動いていましたので、特に違和感はありませんでした。

 その後、営業職場に異動となりましたが、そこでお盆休みがあったことに驚きました。同じ会社でもあるにもかかわらず、営業職はお盆休みを取っていたことを知らなかったのです。「なんでお盆だからといって休むのだろうか」。そんな疑問を抱いていました。

 ただ、営業職場1年目の私は、ある問題案件を抱えていたため、とてもお盆休みを謳歌できる環境ではありませんでした。自宅で何をするわけでもなく不安感にさいなまれながら暮らし、案の定取引先からクレーム電話がかかってきて、結局会社に出て行った記憶があります。勝手に出勤したために怒られたりもして、踏んだり蹴ったりでした。

 この当時見舞われた不安感と体の不調は、問題が解消した秋以降も消えず、結局は心療内科の門をたたくことになったのです。

まとめ

 辛気くさい話となっちゃいましたので、最後は前向きにまとめたいと思います。

フリーライターのお盆
・クライアントがお盆休みになれば、案件は入ってこず、仕事は一時的に減る
・公的機関、個人企業から請け負っているライター、作家やルポライターはこの限りにあらず

 自分のペースに合わせて仕事の量を調整できるのが、フリーランスの働き方の醍醐味。大企業の社員並みにお盆休みを取りたい人は仕事をセーブし、思う存分休みを謳歌しましょう。

 とはいえ、お盆も関係なく仕事をしたいフリーランスも多く、クライアントが休みで仕事が減ると困る!といった人もいると思います。そんな場合は「クラウドワークス 」などのクラウドソーシングサイトで案件を探すのも手です。

 クラウドワークスは、日本最大級のオンラインお仕事マッチングサイト。エンジニア・デザイナー・ライターを中心に、ご要望にあわせたマッチングができます。

 それ以外のクラウドソーシングサイトについても、以下の文章をご参照下さい。