パワハラよりもタチが悪い!? 企業に巣くう同調圧力
こんにちは、社長の藤田です。現在はフリーライターをしていますが、その前は19年間、地方新聞社で記者、営業職として勤務。組織の一員として働いていました。
いま現在、会社を辞めたいと考えている方の中には、企業や組織を取り巻く「同調圧力」が嫌だと思っている人も多くいると思います。組織内の構成員に対し、周囲の大多数に行動や考え方を合わせるように仕向ける無言の圧力のことです。
今回は、組織人として長く働きながらもドロップアウトしてしまった私こと藤田が、同調圧力について考察。同調圧力の例や性質などを考えてみたいと思います。
所属している会社で生き苦しいと思われている方、退職してフリーランスなど自由な働き方(決してそのようなことはないのですが)をしたいと考えている方に読んでいただければうれしいです。
パワハラと同調圧力の違い
前提として、パワハラと同調圧力の違いについて考えたいと思います。
「言動」として残るパワハラ
もはや説明不要かも知れませんが、パワハラとは「パワーハラスメント」の略。厚生労働省の定義では、以下の三つの要素を全て満たすものを指します。
①優越的な関係を背景とした言動
②業務上必要かつ相当な範囲を超えたもの
③労働者の就業環境が害されるもの
出典:厚生労働省|ハラスメント基本情報
「優越的な関係を背景とした言動」である点がポイントですが、これについては次の項目で触れます。
余談ですが、上記ホームページのトップ画面に、上司が部下の胸ぐらをつかんでいるイラストがあります。この文章のサムネイルとして使わせていただいていますが、上司の顔がイッてしまっていて極めてやばいです。こんな人が会社にいたら嫌ですね。
形に残らない「同調圧力」
同調圧力とは、周囲の大多数に行動や考え方を合わせるように仕向ける無言の圧力のことを指します。組織内で少数意見を持つ人に対して与えられることもあれば、構成員全員に対することもあります。
ここでポイントとなるのは、「無言の圧力」という点です。
「優越的な関係を背景とした言動」であるパワハラは、恫喝の様子を録音、録画したり、根拠となる資料を集めたりすることで証拠を残すことが可能な一方、同調圧力は無言であるため、証拠を明示することが極めて困難です。
形として残らない分、パワハラ以上に撲滅が難しく、やっかいな存在だと言えます。
同調圧力の例
「周囲の大多数に行動や考え方を合わせるように仕向ける無言の圧力」と言っても分かりにくいと思うので、同調圧力の一例を挙げてみます。
①先輩が帰るまで帰れない
②残業をしなくてはいけない雰囲気
③昼休みに同じテーブルで一斉に食事を取る
④飲み会を断れない空気
⑤どんなことでも業務命令は断れない
「一例」と言いましたが、これらは私自身が務めていた会社で経験した同調圧力の例です。入社してから20年以上経過しているので、他にもあったと思います。
とはいえ、おそらくどこの会社にも上記のような同調圧力は多かれ少なかれあるんだろうと思います。勤めていた会社の名誉のために加筆しますが、特に同調圧力が強かった、ということはなかったと思います。
実際はほとんど気付かなかった
実際、会社員時代に「これは同調圧力だ」と感じたことは少なかったですね。上記①~⑤の中では、⑤以外は同調圧力だと自覚していませんでした。
①~③については「まあ企業・団体で働いているんだから、仕方がないだろう」くらいに思っていました。完全に組織に洗脳されており、ある意味会社にとっては都合の良い社員だったかもしれません。
なお④については、酒を飲むことは嫌いではなく、基本断らなかったので、同調圧力だと思ったことは一度もありません。
対応策は「従う」「抗う」の2択
対応策ですが、会社員時代の私のように同調圧力を甘受して組織に従うか、後ろ指を指されながら抗うかの2択だと思います。
同調圧力に従えば、その企業で評価される可能性が上がります。ただ、自己暗示が苦手な人だと「本当にこれでよいのだろうか」と迷いながら仕事をすることとなり、精神衛生上よくありません。
同調圧力に抗えば、会社内の変わり者、不満分子と見なされるでしょう。ある程度のタフさや反骨精神を持ち合わせるか、何を言われても応えない「鈍感力」を持たないかぎり難しい選択肢です。
同調圧力を受け入れると病んでしまいそうだが、そうかといって抗うほどのタフさや反骨精神はない人は、別の会社に転職するか、フリーランスという働き方を選択するしかないと思います。
まとめ
今回は、企業に巣くう同調圧力について考えてみました。まとめです。
・同調圧力は形として残らない分たちが悪い
・企業内部にいたら気付かないこともある
・しぶしぶ従えば心を病む可能性がある
・抗うには精神的なタフさや反骨精神が必要
・どちらも嫌なら会社を辞めるという選択も
パワハラと比べてついつい軽んじがちな同調圧力ですが、苦しんでいる方も大勢いらっしゃると思います。まずは受け入れられるか、抗うことができるかを判断し、両方ともできない場合は転職やフリーランスといった選択肢を検討してみてはいかがでしょうか。
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